名探偵コナン ゼロの執行人
テロ事件の容疑者として毛利小五郎が身柄を拘束されてしまうという、映画版ならではのオープニングにハラハラさせられました。普段は別居中でケンカばかりしている妃英理が、法律の知識を存分に駆使して小五郎の危無実を証明するために奔走するという展開にも夫婦愛を感じますね。 小五郎の弁護を担当すると名乗り出てくるミステリアスな若手弁護士、橘境子役に上戸彩が抜擢されています。橘が今回の事件に接近してきた本当の理由、さらには彼女が抱えている意外な過去には驚かされるでしょう。父親が逮捕されたことで不安を募らせる毛利蘭を慰めるために、主人公・江戸川コナンが携帯電話越しに工藤新一の声で語りかけるシーンが切ない… 公安の捜査官でありながら「バーボン」のコードネームで黒の組織に潜入中の安室透、その組織を裏切り小学生の姿でコナンに協力する灰原哀。この映画に登場する多くのキャラクターたちが、周りを欺くためにふたつの名前と顔を持っているのが運命的です。 前半は本格的な推理ドラマとして静かに進行していきますが、東京湾のサミット会場を舞台にした後半戦はアクションが盛りだくさんで一気に加速していきますよ。安室が言う「命にかえても守らなければならなもの」とは何なのか、コナンは大切な人を守ることができるのか見届けてあげてください。
ハミルトン
オリジナルキャスト公演の映像化です。ありがとうございます何度でも見返したい!!日本語字幕の対応を首を長ーくして待っているつもりが、気づいたら再生を押していて、英語字幕だけじゃ流石にきついかなあと思っていたら引き込まれていました。史実ベースのお堅いドラマ?いやいや。見終わってました。アメリカ建国の父ハミルトンの生涯をこんなにもポップに色鮮やかに描いたリンマニュエルミランダの鬼才っぷりと、有色人種の配役で演出されたパワフルなアメリカ文化の唯一無二の魅力が凝縮された160分間に、ただただスタンディングオベーションです。魂の篭った歌声と息遣いに、偉人たちの想いに触れた様な気がして度々胸が苦しくなったり、会場に誘われて笑ったり、最後には胸がいっぱいになりました。字幕対応したらまた観ます!また泣きます! 流れるような曲や舞台装置の展開も見所で鳥肌モノ。歴史や言葉の綾をこれほどまでに知りたいと思ったことはない、、
Swallow/スワロウ
『異食症』という摂食障害を題材にした作品です。 DVDパッケージでもネットでも、本作を『スリラー映画』として紹介していますが、正直言ってスリラー的な要素はまったくと言っていいほどなく、特殊な病気に罹ってしまった女性の人生の岐路と決断を描いたヒューマンドラマでした。 でも、ジャンルこそ思ってたのと違いましたがとても良く出来た作品なので、観て良かったです。 主人公のハンター役を演じるヘイリー・ベネットがとても素晴らしかったですね。 とりわけ美人というわけでもないのに、どうにも魅力的。 これはもう、彼女を観る為の映画と言っても過言ではないでしょう。 主人公が異食症になったことで過去の自分と向き合い、周囲の理解を得られない八方塞がりの中で人生を切り開こうと必死でもがく彼女の姿は感動的・・・とまではいかないものの、とてもエモーショナルで胸にグッと刻み込まれました。 ラストは賛否が分かれそうですが、杓子行儀でない彼女の決断は尊重されるべきだと思いました。
イン・ザ・ハイツ
かねてよりミュージカル映画をドルビーシネマで観たいと思っていたが、満を持してインザハイツを鑑賞。基本的に私はミュージカル映画があまり好きではない。ジャンルで言えばドラマや伝記系、ストーリーは凝っていればいるほど好きである。それゆえどうしても音楽に時間を割いてしまい、ストーリーの内容が薄まってしまうミュージカル映画を観ることは自ずと少なくなる。しかしこのインザハイツ、素晴らしかった。 この映画で描かれる登場人物たちのエネルギーを分けてもらったからだろうか、鑑賞後は「自分の悩みや不安などちっぽけなものだ」という気持ちになるパワフルな映画であった。 ただ、内容とは別のところにこの映画を楽しめた最大の理由があるのではないかと考える。それは「ミュージカル✖ラップ」である。 この映画を観るまで私がミュージカル映画に抱いていた印象は、普通に話していたのにいきなり歌い、踊りだすというものだ。いまいち印象が湧かないという方は「レ・ミゼラブル」などを思い浮かべてもらえればいいだろう。そう、いきなり歌いだすそれである。 しかしこの「 In The Height 」だがほとんどのミュージカルシーンにラップが用いられている。故に自然体、まさに会話を聞いている感覚である。実際に複数人で歌う楽曲が大半を占めており、リズムも適度に外してくるので歌っているという印象よりもリズミカルに話しているという印象のほうが強いかもしれない。 実際にYouTubeに映画本編の動画が何本か掲載されているので、時間がある方は是非見ていただきたい。ミュージカルが苦手な人もあまり抵抗は感じないのではないだろうか。 ラップでまくしたてるような彼らの歌唱には、もはや普通のセリフよりもずっと魂が宿り、その魂は私たちのそれさえも震わす。普段ラップ聞かないのにこんな絶賛するのもなんですけど。
プラットフォーム
このレビューにはネタバレが含まれています
犬鳴村
竜とそばかすの姫
ゴーストライター
誰かの代わりに原稿や著作を執筆する「ゴーストライター」と言えば、我が国では2014年に社会問題になったあの人を思い出してしまうでしょう。海の向こうイギリスでも高額報酬に飛び付いて怪しげな依頼を引き受けてしまう陰の著者に、思わぬ災難が降りかかっていました。自らの本名さえ名乗ることを許されていないミステリアスな主人公を、ユアン・マクレガーがちょっぴりブラックユーモアを交えて演じています。 引退した首相アダム・ラング役に「007」シリーズでのジェームズボンド役でお馴染みのピアース・ブロスナンを起用するなど、サービス精神も忘れていません。海に囲まれた島に豪勢なお屋敷を構えて本妻と愛人を一緒に住まわせているという、およそ高潔さとは無縁の人物。政界進出にもまったく意欲がなかったというラングが、なぜ一国のトップにまで上り詰めることができたのか気になりますよね。 少しずつ明らかになっていくラングのもうひとつの顔と、2003年に勃発したイラク戦争にまでさかのぼるほどの政治的な陰謀には息を呑むばかりです。
マリッジ・ストーリー
自らの選択なのか不本意なのか、平穏なのか醜くなるか。それも0か100かって話ではなかった。法というシステムでは綺麗に解決できないような、めちゃくちゃ人間臭い別れの過程が描かれていました。みんなが観たくてハッピーになるような大衆映画ではないけれど、こんな愛の溢れるハッピーエンドもあるんだなあと。この家族のこの時点での1番の終わり方でした。 もう一緒には居られないと分かりながらも、愛し合っていた過去に後ろ髪が惹かれる姿、どんなに恨んだとしても人生の一部を共にした相手を思い合う描写が絶妙でした。緩急のある口論のシーンから伝わるそこにあった愛、まだそこにある愛が、離れたからってなくなるわけではない二人の歴史が、全てが本物のようでした。2人の演技の凄ましさが説得力ありまくりで息を飲みます。流石売れっ子2人だ、、と平伏します。 そしてそして彼ら主演2人だけじゃないんです凄いのは。Divorceを撮ってmarriage storyを語らせる脚本も天才すぎませんか。
素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店
これは・・・何とも・・・不思議な味わいのある映画でした。 自殺志願者が自殺幇助を依頼するアンダーグラウンドの葬儀屋、という設定は『世にも奇妙な物語』にでもありそう。 んで、運命の女性と出会って心変わりするんだけど、葬儀屋は「キャンセル不可」で・・・。という展開は、演出さえ変わればホラー映画としても成り立つと思う。 後半にはマサカのドンデン返しも用意されており、まさにサプライズ!でしたねえ。 そういった様々な作品としての要素は、ひとつひとつ抽出してみるとどこかで見たハズのものなんだけど、ヨーロッパ映画独特の雰囲気やテンポでやられると何とも新鮮。 音楽もクラシックやオーケストラを嫌味なく使いこなしており、映画との親和性もバツグンでした。 ファンタジー映画みたいなタイトルですが、コメディです。しかし現代の寓話として考えると、ファンタジーと名乗っても良い気がします。 意外と知られていない作品だと思うのですが、掘り出し物でした!
レイダース 失われたアーク《聖櫃》4DX
冒頭のインディのからくりの仕込まれた遺跡でのトレジャーハンターぶりが、これから始まる壮大な展開を期待させてくれます。あの定番の音楽も、いつ聴いてもワクワク感を盛り上げてくれ素敵です。 ハリソン・フォードの大学講義での教授姿はパリッとしていてカッコイイです。 今作の舞台が大好きなエジプトで、カイロの街並み等を観ながら鑑賞できたのも気に入っているポイントです。元恋人のマリオンだけでなく、子ザルとも行動を共にするのも可愛くて良かったです。 「聖櫃」の未知の力を求めるナチスと、インディの宝探しの様子は波乱づくしで、アリオンが大変な目に遭ったり、やっと聖櫃を見つけたと思ったら奪われたりと、場面がどんとどん変化していくので飽きる事無く楽しく観ていけました。 また車を馬で追いかけるインディのかっこいい騎乗シーンも観られ、車上での攻防も迫力がありました。 最後のアメリカへの船旅でやれやれと思ったものの、まだまだ気の抜けない展開が続いて神秘的なストーリーも盛り込まれた、今観ても最後まで十分楽しませてくれるシリーズ化するのも納得の内容でした。
IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
スティーブンキング原作の映画化は意味不明で終わってしまうものも多い中、こちらの作品は話題にたがわず面白くて、夢中で見てしまいました。 スタンドバイミーのホラー版ともいわれる本作、まさにその通りで、各々暗い家庭事情を抱えている少年少女たちが「それ」と呼ばれる恐ろしい怪物と対峙し、協力して苦難を乗り越えることで友情を育み成長していくストーリー。 ホラーとして物凄く怖いわけではないですが、驚かせる演出には長けていて、少年たち視点で眺めていると各シーンでドキッとさせられ、思わず声を上げてしまうことも。 また、主人公とヒロインの淡い恋もありつつ、主人公が所属する落ちこぼれグループ、ルーザーズクラブのメンバー同士のクスっと笑えるシーンもあり、とにかく物語として飽きることがなく最後まで楽しめました。 子供たちが成長した後の続編もありますが、そちらなしでも一つの映画として完成されています。もちろん続編を見るとさらに世界観に浸れます。 個人的にはホラー映画のベスト3に入る良作だと思うので、見て損はない作品です。
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
ドント・ハングアップ
天誅もの、といった感じでしょうか。 かなり悪質なイタズラ電話をかけ、相手の反応をネットで公開して遊んでいる青年たちに悪夢が押し寄せます。 出だしがかなりいいです。 警察から電話がかかり、慌てる女性。 しかし、それは青年たちの仕業……となってからのポップな展開をみせ、登場人物がSNSの画像と共に紹介されます。 このあたりがうまいだけに、のちの展開がちょっと残念かな。 実際のところ「あれ」をやるのがどこまで本当に可能なのかがよくわからないんですよね。 ちょっと展開的におかしなシーンもちらほら。 本作はおそらく、その「ツッコミどころ」はあえてやっているのではないかと思います。 本当に描きたかったテーマは「無邪気な悪意」と「純粋な悪意」との戦いなのではないでしょうか。 そこを描くには多少の無理も仕方なし、なのかもしれません。 無邪気な悪意がもたらした不幸な結果。 彼らは自身のしたことの「その後」までは想像していなかったことでしょう。 物語的にはかなり無理はありますが、少々スッキリしてしまう作品でした。
ドリーム ホーム 99%を操る男たち
キャストは良かったです。 マイケル・シャノンは相変わらずの存在感だったし、アンドリュー・ガーフィールドの悪に染まりきれない感じも良かった。 でもなあ・・・何というか、終始ピンと来なかったです。 リアリティがしっかりあるのは分かるのです。実際、実話ベースらしいですし。 差し押さえのシーンとか、臨場感があって思わず惹き込まれましたもん。 でもね・・・まずリーマンショックがどうにもピンと来ない。そんなのあったような・・・というレベルですからw そんでもって彼らの商売のシステムとか、その違法性とかも、最後まで観てもピンと来ず、何となくでしか理解できませんでした。。。 ここまでの強制退去自体、日本人には馴染みのないモノだからかもしれません。 まあ単に僕の頭が悪いだけかもしれませんが(汗) 従って物語への没入感も微妙でした。 DVDのパケ裏に『まるでアメリカ版「闇金ウシジマくん」だ!』って書いてた映画評論家の方がいらっしゃいましたが、それはどうかと。。。 正直「どこが?」という感じ。 あと、社会派サスペンスらしいですが、サスペンスの部分はかなり弱いです。パンチが全然利いてない。やっと盛り上がってきた!と思ったらエンディングなので、物足りないです。 音楽は緊張感があって良かったです。
スーサイド・スクワッド
絶対面白いです。マーベル映画に負けていません! ウィル・スミス演じる「デッドショット」も魅力的ですが、やはりここはイカレすぎて可愛い「ハーレイクイン」を見るべきでしょう!とにかく、ジョーカーに一途すぎて痛みも暴力も何でもOKになってしまった彼女は、どの凶悪犯よりもチャーミングで恐れ知らず。彼女がどうしてここまで人気なのかが良くわかる一本です。 ストーリーとしては、スーパーマン不在の地球を守るための「タスクフォースX」のために、悪党の凶悪な力を役立てようとしたら、うっかり最恐の魔女に裏切られて、そのもみ消しのために「スーサイドスクワッド」部隊が突入される、というトンデモストーリー。 ここでその「トンデモ」に文句をつけては絶対にダメです。これはこの「トンデモ」具合をどうエンターテイメント的にオチをつけるかが、とても大事! ラストには悪人たちの仲間意識や償いきれない過去、本当に心から望むものは実はノーマルな生活……などメロウな部分があるのも、最高に心にぐっときます。 絶対元気になるし、見ていて心が喜ぶ映画です。おすすめです。
屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ
300 <スリーハンドレッド>
[リミット]
起きたらいきなり狭い場所に閉じ込められている。何がなんだか分からずパニックに陥る。そしてだんだん落ち着いてきておかれている状況を理解するが、命の危険にさらされているのはわかるのですぐに癇癪を起こして普通の精神状態でいられない。パニック映画は天災や事故のように大規模なものが多いが、ただ閉じ込められているだけでもこれだけの緊迫感が出せるのはすごいと思いました。暗くてジトッとした暑さというのは恐怖感を増大させますね。犯人とのやり取りや外部の人間と連絡を取るための携帯電話の電池残量が、また微妙な感じでいいですよね。連絡を取れるということはそんなに深く埋められているわけではないのでそれが生きることにつながるのではと思える分、彼の焦りはものすごく伝わってきます。外部の人間もすごく親身になって助けてあげる風なんですが、本気になって助ける気がないのがわかります。埋められている恐怖もありますが、助けてもらえないと感じる恐怖がさらに彼を追い詰めている所がこの映画のキモです。棺の中でも小さなトラブルがちょこちょこ起きて、この人の精神を少しずつ追い詰めて行きますよね。最後はすごい終わり方ですね。
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