バケモノの子
このレビューにはネタバレが含まれています
美術館を手玉にとった男
中世ヨーロッパの宗教画からシュールレアリスムの先駆者たち、某大型テーマパークのマスコットや人気アニメのキャラクターまで。ありとあらゆる時代と国のアーティストたちを完璧にコピーしてしまう謎めいた画家、マーク・ランディスの正体に引き込まれます。 類いまれなテクニックと豊富な知識を活かして、さぞかし贅沢三昧で派手な生活を送っているのかと思いきや… 食事は缶詰めやインスタントばかり、住んでいるところはごく普通のアパートと美大生と変わりありません。そのストイックな横顔はお騒がせの贋作作家というよりも、苦行僧のようでもあり世捨て人のようでもあります。苦労して完成させた作品を、なぜ無償で美術館に寄贈していたのかも気になりますね。 「この世の中にオリジナルは存在しない」というマークの開き直ったかのような言い種にも、不思議な説得力がありました。彼が人生のすべてをかけて手に入れたものは何だったのか、思わずカメラの前でさらけ出してしまった素顔も見逃さないでください。
漁港の肉子ちゃん
明石家さんま、大竹しのぶ、吉本興業などのラベルをはがしたとしても怒涛の感動が得られるかなりの出来のアニメ。見ないともったいないです。 あまりにもまんまなニックネームの肉子ちゃんのその一生懸命な姿だけでももう泣けてくる。どうしてこれほどまでにまっとうに生きることができるのか?やさぐれて自堕落な自暴自棄な暮らしをしているほうのが自然に思える彼女の謎に否が応にもグイグイ引き込まれ、画面からもう目が離せなくなる。 そしてタイトルとは別の、本作の真の主役と言える肉子ちゃんの娘キクコの健気さと、母親を観察する冷徹な研究者のような眼差しを兼ね備えたキャラクター(読書も好きで、母親とは似つかない)はどのようにして培われたのか?というもう一つの謎。 アニメーションだからこその、リアル感とファンタジックさの絶妙な塩梅で雑味(貧乏や差別)を目立たせず、ともすれば非現実感で興醒めしてしまいそうな題材を見事にカタチにした笑いあり涙ありの良作。
チェリー
キャッシュトラック
フランス映画の「ブルー・レクイエム」('03)のリメイクですが、 新たに現金輸送車の警備員になった謎めいた男(ジェイソン・ステイサム)を 中心に話は展開してゆきます。 「現金輸送車」「ジェイソン・ステイサム」となれば、普通のアクション映画になりそうですが、フランス映画のリメイクで、監督がガイ・リッチーなので普通のハリウッド映画とは違う展開になります。 ハリウッド映画によくある展開にはならないので、お金の価値や人命の価値などを考えさせる映画になってきます。 強盗グループも独特の設定になっていて、現代社会についていろいろと 考えさせる内容です。 主演のジェイソン・ステイサムは毎回アクションが多い俳優さんですが、 本作ではアクションはかなり控えめになっていますが、 それがかえって存在感を感じさせています。 スコット・イーストウッドさんは、軽薄で悪い役を上手く演じていました。 はまり役だと思います。今後もこのような役をすると合いそうです。
ボディガード
秒速5センチメートル
映画 聲の形
私は主人公の聾唖の女の子の西宮さんよりどちらかというと加害者である石田の方に感情移入しました。 ほんの僅かですがいじめの加害者の体験をしてみたことがあるんですが、ただ他人の筆箱を勢いよく投げ飛ばしただけなのに、未だになんであんなことをしてしまったんだろう?あんなことはすべきじゃなかったと思い出して後悔することがあります。なので、補聴器を破壊してしまった過去の罪悪感に苛まれて償いのバイト生活を送る気持ちはなんとなくわかります。 この物語はイケメンと美女(メガネ)の元同級生のキャラがドライだったり自分可愛さの塊だったりして嫌気しつつもある意味魅力的です。いじめ問題に対してクラス全体がある意味共犯であり、いじめてた側がいじめられる側に回るなどのきつい現実が容赦なく描写されるのでいじめでつらい思いをした人が見るとまた感じ方は違ってくるのかなと思いました。 原作は読了済みで今作に臨みましたが、2時間に効果的に過不足無く凝縮できていて編集の技量の高さを感じます。作画は安定の京アニなので文句なし。
デッド・カーム/戦慄の航海
時をかける少女
スカイライン −逆襲−
「スカイライン 征服」「スカイライン 奪還」に続くシリーズ3作目の映画です。 「奪還」の方は、どんどん意外な方向にストーリーが展開する怪作でしたが、本作はそれほど意外な展開はない映画になっています。 シリーズモノの3作目ですが、冒頭にこれまでの事がまとめられていますので、この映画から見ても内容は解るようになっています。 主演は前作の最後に出ていたリンゼイ・モーガンさんで、前作に出ていたヤヤン・ルヒアンさんも出演しています。ヤヤン・ルヒアンさんは「スターウォーズ:フォースの覚醒」にも出演していたというのは意外でした。 敵の惑星に乗り込みますが、結構ありがちな展開で、これまでのいろいろなSF映画を意識して作っているようでした。前作とは違ったテイストの映画ですが、これはこれで楽しめる映画になっていました。なんといっても前作で脳みそを有機ロボットに移植されたトレントが、それを気にすることなく行動している点が面白かったです。何かと奇想天外なところが多いシリーズ物の一作です。
名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊
劇場版コナンで一番印象に残っている作品です。 コナンの映画といえば、スペシャル版であるのをいいことに普通じゃありえない展開が起きます。例えばコナンがヘリや航空機を操縦したり、タワーが爆発したり、ビルが炎上したり、観覧車が転げ落ちたりしますが、今作ではそんな壮大なスケールとは対照的に舞台設定としてはバーチャル空間という閉じた世界になっていてどう見ても異色作です。 脚本は著名作家の野沢尚が担当したのもあり、斬新な設定ながらもストーリー構成はしっかりしており、且つ最後に驚きの展開も用意されていて完成度の高さを感じさせます。 舞台はバーチャル空間のシャーロック・ホームズやジャックザリッパーがいた時代をコナンを筆頭とする少年探偵団のいつもの面々に加え、曲者揃いの金持ちの息子たちの混合チームが探偵となりその足でジャックザリッパーを見つけるまでのアトラクションになっています。 工藤新一の憧れの人物はシャーロックホームズなのでホームズを題材にした作品は作るべきあると思いますが、この作品がまさにそれに応えています。 細部までちゃんと作られた脚本に斬新な設定、犯人、黒幕は誰かというのを見つけるんじゃなく、探偵冒険アドベンチャーとして新しいジャンルですらあるこの作品は異色であり一番おもしろいと感じました。
海辺の金魚
'96年生まれの若い監督が撮ったものですが、児童養護施設を舞台にした物語で、重い素材を扱っていますが、綺麗に描かれていました。 監督の経験が浅くても、撮影監督の腕の良さで、綺麗な映画になったという面は大きそうです。ストーリーもそれほど重くなりすぎることなく淡々と展開しますが、説明的なところは少ない映画になっています。 何かと過激な描写や派手な画面づくりが多い最近の映画ですが、そのようなものを使わなくても見る人を惹きつけられる事がわかる映画でもあります。 小川紗良監督は長編初監督とのことですが、今後が期待できる監督だと思いました。 鹿児島県阿久根市で撮影されたものとのことですが、風景がとても綺麗でした。 小川紗良監督は大学の授業で是枝裕和監督の授業を受講したとのことですが、是枝裕和さんの映画が好きな人なら気に入る映画だと思います。 主演の小川未祐さんも、児童養護施設に保護されている高校生を自然に演じていて、今後の活躍が期待できる女優さんだと思いました。
青天の霹靂
最初一体どんな映画なんだろう?と思って見ていていきなり雷に打たれて過去にタイムスリップというのが個人的に青天の霹靂でした。前情報なしで観たのでえ?そういう映画なの!と驚きました。 この映画は実に泣ける映画で、泣けるポイントがいくつかあります。若き日の父親に自分なんて生まれて来なければよかったんだ!と悪態ついてぶん殴られるシーンは人生うまくいっていない人ほど心にくるんじゃないかと思います。 現在編で主人公と父親がいかに不幸な境遇になっているかを序盤で植え付けられているため何気ない日常風景がかけがえのない奇跡の時間なので常に切ないことになっているんですよね。 涙を抑えきれなかったのは若き日の母親に主人公が自らの胸中を打ち明けるシーンですね。ベタなんですが、ほんとそれ状態でここが一番の泣き所でした。ものの見事に自分の涙腺をピンポイントで突いてくるのは邦画では珍しいというかこの作品が初めてなんじゃないかと思います。 ラストも美しく、救いのある終わり方なので満足度は高いです。
ウィズアウト・リモース
映画の開始早々、シリアでのシールズによる強襲作戦がリアルに描かれていて、期待して見ましたが、様々なアクションシーンなどはしっかりと作っていても、ストーリー展開に無理があり、内容的にもイマイチでした。 主人公たちが巻き込まれた事の理由などが色々と無理のある不自然なものになっているのが残念な所でした。 戦闘シーンがリアルに作られている分、全体の雑さが残念でした。 原作が書かれたのがだいぶん前なので、舞台設定が難しかったのでしょう。様々な国家の関係の変化が大きく、予想も難しいことが脚本の書きづらさに繋がっているのでしょう。 登場するシールズ隊員たちですが、ポリティカル・コネクトネスを意識したのか女性隊員も出てきますが、キャストを決める際にも色々と難しくなっているようでした。 とはいえ、戦闘シーンなどは本格的にしっかりと作ってあり、サバゲーやミリタリー系のことが好きな人ならそれなりに楽しめる内容だと思います。
アイデンティティー
ラストスタンド
ストーカー
ギャングスターズ 明日へのタッチダウン
プレデター
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