ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画はたくさんありますが、本作の特徴は悪役達の描き方でしょう。冒頭で主人公の潜入捜査官のフィル(ジェイソン・ステイサム)が捜査していた相手は、バイカー集団で麻薬を作っているところでした。そこの摘発が終わり、捜査官を引退したフィルはアメリカの田舎に娘と暮らしています。そこでの子供同士のごたごたが、思わぬ事態に発展するという話ですが、そこで出てくるガラの悪い母親と配偶者や、その兄など、様々な悪さの程度の悪役が出てきます。単に柄が悪く薬物依存の悪役から、麻薬を密売しようと企む悪役、自分たちのボスの息子の死の原因となった相手を抹殺しようとする悪役まで、様々な悪役が出てきて、それぞれの違いが描かれています。多くのアクション映画や犯罪映画では、悪役は組織でのランク以外はそれ程描かれないことが多いですが、本作では悪そうに見えてもそれぞれ違いがあることが描かれていることが特徴です。悪役同士でのやり取りの際の心理描写もしっかりしていて、予想外の作品でした。