母親から育児放棄されていて、学校に行ったことのない中学生くらいのタロウと、高校の柔道部で怪我をして柔道を続けられなくなったエージと同級生のスギオの話です。
障碍者や高齢者を食い物にしている半グレを襲撃してお金を奪おうとしたりしていくうちに、偶然、拳銃を手に入れることになります。
以前の不良少年を扱った映画では、グループで団結したり、素手で決闘したりしましたが、本作では最初からそのようなこだわりも何もなく、単に奇声を上げ、凶器を使い半グレを襲撃してお金を奪おうとします。
社会の経済的な衰退とともに、少年たちもどんどん人間であることが難しくなってきている様子が描かれていますが、会話などではなく、あくまで行動で描かれています。
大森監督の「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」をもっと年齢を低く設定して作った感じの映画でした。
行き詰った現代社会の、先の見えない状況というのは、居場所のない子供に一番影響を与えているのでしょう。