es [エス]
スタンフォード大学のフィリップジンバルド教授による実在した心理実験「スタンフォード監獄実験」がモデルの映画です。ハリウッドリメイクもされており、そちらのエクスペリメントも悪くはないのですが心理実験の不気味さでいえばエスに軍配が上がります。 無作為抽出の一般人から刑務官役と囚人役に分かれ、それぞれの役割を演じて結果をみるという実験です。もちろん、最初は面白おかしく、いわゆるコスプレ感覚で話が進むのですが、時間の経過とともに刑務官は刑務官らしく、囚人は囚人らしい振る舞いをするようになります。これは実際の心理にも当てはまることで肩書に応じた性格になる 傾向が人間にはあります。 裏話をすると、こうした実験はナチスドイツのジェノサイドの責任がそれぞれの人(役付きの幹部など)にも実際にあるのか懐疑的な視点がありました。肩書を与えられ、任務としてなら人は非人道的なことも平気でできるのではないか。この映画はエンターテイメントとしてもそうですが、知的好奇心を刺激する意味でも優れています。 関連作品としてエクスペリメントもそうですが、ジンバルド教授の幼馴染によるミルグラム実験を題材にしたアイヒマンの後継者も合わせて鑑賞をおすすめです。
ワイルド・スピード/ジェットブレイク
このレビューにはネタバレが含まれています
ショーン・オブ・ザ・デッド
ゾンビ映画自体、もともとコメディの要素を含んでいたりしますが本作はその代表作なる作品です。ゾンビ映画という枠組みよりも、そもそも映画という枠組みの中で優れています。丁寧な伏線、カットやシーンの遊び、音はめ、言葉遊び。とにかく色んな仕掛けがあって、ゾンビランドにはない魅力が満載です。 ゾンビランドと同じで、こちらもキャラクター描写が丁寧なんですよね。人間関係をちゃんと描いており、それぞれの生い立ちを感じるセリフや、どうして気に食わないのかとか、意外と登場人物のイメージがしっかりしてきます。ゾンビを見たい者にとっては物足りないかもしれませんが、遊びたっぷりのコメディ映画としてなら大満足だと思います。 次々と切り替わるニュース映像をつなげてネタが生まれるところ、二度にわたるサイモンペッグの長回しシーンの対比が大好きです。エンディングのおちも最高で、そのシーンからのmy best friendは素晴らしいシメです。 何十回も見返した映像に遊び心のある楽しい映画です。 ぜひともビールと一緒に鑑賞したい映画。
アメリカン・スナイパー
実在したネイビーシールズの狙撃手クリスカイルが元ネタの映画です。主演ブラッドリークーパーが肉体改造をおこない、とても素晴らしい筋肉で好演されていました。 アクション描写を中心に感想を述べますと、基本的に狙撃が多いですが狙撃描写の醍醐味を問われると肩透かしをくらうかもしれません。あくまでもクリスカイルという狙撃手についての物語です。戦場で子供を撃つかどうか葛藤したり、気を許したと思ったら敵対勢力に通じていたり、非常に強いストレスを感じていたことがわかります。 個人的にM4ライフルの銃声は作った感があり、正直すこし冷めます。やや乾いた音のほうがよかったかもしれません。アクションを目当てにするとミスマッチになると思います。むしろ、胃がきりきりするような戦場のストレスを感じとることに優れた作品です。 エンディングはとても切ないです。本人もなんとか生きようとした結果と思うと悲しいです。 流石、クリントはこういった映画の監督をすると素晴らしいと思います。
ネイビーシールズ
ミリタリーマニアにとって伝説的な映画です。キャストは実際にネイビーシールズとして勤務していた本物の人達であり、構えや動きに説得力があります。 一般的なアクション映画ではひとりひとりの役者の「かっこいい姿」を強調することが多いですが、本作はそれぞれの「連携」を描写することに重きがおかれています。というのも、実際の銃撃戦はかっこよくある必要はなく、いかに互いの安全を確保しながら相手にとって不利な状況をつくるかに関心があります。当然ですね。しかし、それは同時に「映画映え」せず、地味ともいえます。ただ、そのような、兵士達が連携して安全を確保しながら突入するシーンの数々が私みたいなマニアに強く刺さります。 もうひとつ。アクションシーンでたびたび主観(クローバーエフェクトのような撮影技法)の撮影が入っており、FPSゲーマーならにやりとする演出もあります。ぶれるカメラみたいな演出で冷めることなく、とにかく没入できて興奮します。そうです、興奮するんです。 リロードも、丁寧なクリアリング、握りしめるフォアグリップ、仲間の肩を叩いて前進の合図。きりがないくらい最高なシーンの押収で、ずっと興奮します。
天使にラブ・ソングを…
大変ソウルフルな映画です。ミュージカル映画も一定の人気がありますが、こちらは教会の讃美歌として歌われています。ストーリー自体は可もなく不可もなく、コメディ要素は悪くありません。「尼さんは撃てねえ…」のシーンはイタリア系(カトリックが多い)を感じて、お気に入りのシーンです。 なんといってもスタンダードではない表現方法の讃美歌。讃美歌というとクラシックに並んで眠くなるイメージではないでしょうか。しかし、こちらの映画では、とにかくソウルフルでゴスペルが好きの方なら、たまらない力強い賛美歌唱シーンの数々です。形式をやぶりながら神を賛美する歌唱はクリスチャンでなくとも訴えてくるものがあります。 また、キャストのウェンディマッケナですが大変かわいらしくてファンが多いです。残念ながら本作の歌声は別人なのですが、実は続編2で本人の歌声を聞くことができます。ぜひとも本作で彼女の魅力に心を奪われて、続編で癒されてみてください。
デッドプール
メタとディスのダブルパンチが効いた名作。鑑賞する人を楽しませる意味で非常に優れた作品です。 なんといってもメタ表現がとても秀逸です。あからさまに視聴者に語りかけたり、画面にガムがついたり、冒頭のyoutubeパロディによるスタッフディスなど、とにかくネタ満載で「ずっと楽しい」が約束された作品です。主人公が不死身なので、それを前提に展開されるネタが新鮮で面白いです。最近だとザボーイズで似たような描写がありますね。 最近の洋画吹き替えはピンキリのばらつきが目立ち始めていますが、こちらは本当に見事な吹き替えです。元のテイストをちゃんと反映させつつ、日本人にも伝わるように表現されています。とくに主人公の吹き替えが見事で、BGMで聞き流していても耳に入って笑えます。 色んな方向に表現が吹っ切れており、ゴア表現やセクシャル表現など、いずれもネタ的ですが過激なので耐性は少し必要です。 総合的に「楽しい映画」のお手本となる作品です。是非とも笑って楽しみ、続編2の鑑賞も強くおすすめします。
竜とそばかすの姫
インセプション
高品質で難解なストーリーで有名な本作。多少、解説に目を通しながら鑑賞すれば、まったく置いていかれることはありません。ただ、映像美が優れており、別画面との往復はちょっともったいないかもしれません。2回みるのを前提で鑑賞がおすすめです。 ジョセフゴードンレビット、トムハーディやトムベレンジャーと一部の人達に深く刺さるキャスティングです。私にとっては、ほとんどアベンジャー状態です。それぞれのキャラクターもマッチしていて、会話が楽しいですね。今となっては過去のエレンペイジが確認できる貴重な作品でもあります。 映画の核となる世界観やギミックが楽しく、適度に頭を使いながら見ることになります。難解すぎないようにしつつ、モルとの物語の切なさが響きます。列車のシーンは個人的にお気に入りです。 きれいな映像のおかげで、アクションでもいちいち画面が素敵ですね。雨や雪など天候 を変えつつ、バラエティゆたかです。 ラストの締め方も憎い、良作です。
幸せのレシピ
「マーサの幸せレシピ」のハリウッドリメイクである本作品。レミーのおいしいレストランと比べると知名度が低いですが、こちらも負けず劣らず優れた料理映画です。主人公の女性は男社会の厨房で勝気でキャリアを築いており、余裕のある(ようにみえる)イタリアンシェフと一方的に対立します。料理と家族愛を丁寧に描きながら安心して楽しめる名作。 原作もそうですが、傷心の少女が自ら食事をとるシーンは泣けます。主人公の「どのように扱ったらいいのかわからない」とまどいと、それをあっさり解決してみせるイタリアンシェフの対比が楽しいです。ふざけているようで、とても人の扱いが上手なんですね。そして、主人公の料理へのリスペクトもあり、まったく悪い人ではないんです。 料理も美しく、ストーリーも丁寧に描かれた本作。原作とリメイク版ではエンディングが異なりますが、こちらはこちらでいいエンディングです。ただ、原作のほうが男女の対比、ドイツ人とイタリア人の対比が効いて面白いので、合わせて鑑賞することがおすすめです。
最近はすっかり筋肉・スキンヘッド・銃器に車を添えてのような作品となりつつあるシリーズの最新作。個人的には「見るプロテイン」として、とても楽しんでます。 前作までの4~5作がとくに好きなのですが、今作は要素を詰めすぎている感じもあります。兄弟愛については丁寧に描写されていましたが、車や敵との闘いは比較的あっさりしています。また、ギャグ要素で手ごたえがあったのか、ややわざとらしいシーンも増えています。私見では、あそこまで必要なかったですね。 ジェイソンステイサムやドウェインジョンソンが抜けた筋肉成分をジョンシナが補う形になっています。プロレスラー枠みたいな登場ですが、バンブルビーからお気に入りの身としては大歓迎です。アクションも見ごたえがありましたね。筋肉のぶつかり合いは変わらずです。 兄弟愛に終始してしまったせいか、車はともかくガンアクションは比較的ひかえめですね。ちょいちょい面白いアングルや演出のアクションはあるので悪くはないです。 PVの映像がけっこう全体から持ってきてしまっているので、あまり見ないほうがいいですね。個人的に大好きなシリーズで何度も見てしまい、既視感のせいで感動が薄れてしまったのは失敗でした。 総合的にやはり楽しい映画です。ドウェインジョンソン要素をヴィンディーゼルが担っているシーンも必見です。
ゾンビランド
ゾンビ映画というとワンパターンで一時的に楽しめたら終わり、みたいな作品が多いですが本作は見返す価値のある珍しい一作。デッドプールみたいなメタではありませんが、ゾンビ映画を自覚しているかのような演出は面白いですね。ルールをまとめて、これまでのゾンビ映画のお約束を復習できるのは面白い試みです。 ジェシーアイゼンバーグのもやし感というか、ウディハレルソンとの対比もあって二人が揃うだけで画面が楽しいです。キャラクターの作りこみがしっかりしていて、ゾンビ映画でよくある「死ぬ前提で作られたよくわかんない人」から、ちゃんと抜け出しています。キャラクターに没入しながら鑑賞できる意味でも優れた作品です。 個人的には二連ショットガンをネタにした礼砲はツボでした。たしかに、込めなおさないといけませんね。この2発しかないショットガンというのも、いい描写です。要するにゾンビと戦うつもりがなく、下手に弾数があって粘りながら戦うことを前提にしてません。逃げどきが明確なんですね。とてもいい他作品との差別化に感じました。 普通のゾンビ映画に飽きてしまったら是非ともおすすめの一作です。
S.W.A.T.(2003)
ポリスアクション映画としては比較的有名な本作。改めて見返すとキャストもけっこう豪華だったことを知りますね。アクション、SWATとしての成長、復讐など色んな要素を含んでおりますが風呂敷を広げすぎず、すっきりと見ることができます。 冒頭の強盗シーンは実際にあった事件で、当時の警察はライフルを車両に置いてなくハンドガンやショットガンくらいしかなかったようです。シーンからもわかるように犯人のAKライフルのほうが弾数、射程、貫通力が優れていてパワーバランスの力も感じ取れるかと思います。ハンドガンくらいの弾なら防弾チョッキで止まっちゃうんですよね。 この冒頭から2人の警官(正確には警察の特殊部隊SWAT隊員)のすれ違いが起こります。主人公のほうは武器管理係から復帰を果たすのですが、一連の訓練から現場までの描写がけっこう丁寧で「ただのドンパチ映画」で終わっていません。 突入の考え方とか理解できて、そのような視点で見るのもおすすめです。
ターミネーター2
エイリアンと並び続編「2」で大成功した数少ない映画です。大抵は「1」の集客力だけで勝負しているのかコケることが多い続編の中でも、ちゃんと成功した珍しい映画です。 大変影響力のある映画で以降の映画に影響を与えたり、オマージュされることも多いです。エクスペンダブルズではブルースウィルスも「I'll be back」とシュワちゃんへ口にしていたり、溶鉱炉に沈めるぞと言った冗談も飛び出ております。 SFとしてもアクションとしても質が確かな作品ですが、個人的には一部のガンアクション描写がとても好きです。例えばT1000が鉄格子をすり抜けるシーンでハンドガンだけすり抜けなかったり、バイク上でレバーアクションライフルをクイックリロード、リンダハミルトンがスパスを片手でシェイクリロード、きりがないくらいマニアが喜ぶシーンが多いです。 シュワちゃんがSWAT相手にハンドガンだけで負傷させるシーンが個人的ナンバーワンです。ストーリーもアクションも楽しめる最高の作品です。 (ただし、画面外で犬を殺す描写があるので、そこだけは気を付けてください)
パニッシャー:ウォー・ゾーン
いわゆる復讐心に駆られて非合法な方法をとる元軍人もの。けっこう手垢がついたようなお話ではあるものの、原作はアメコミであり脚本は作りこまれているので上滑り感はまったくありません。やっぱり、この世界観は「いいぞ、もっとやれ」と盛り上がるものです。 アメコミの映像化というと、やたらお金を使っているだけの作品も少なくなく「なんか、すごかった」で終わってしまうものがあります。しかし、パニッシャー(とくに本作ウォーゾーン)はアクションの作りこみがされており、満足感のあるアクション映画です。 主演レイスティーブンソン自身もトレーニングに裏打ちされた説得力のあるアクションを頑張っています。トムハーディといい、イギリス系のいかつい瞳は魅力的ですね。 なんといってもクライマックスのガンアクションです。M4ライフルのレートが少し高いですが、ハンドガンや手りゅう弾など、飽きのこないアクションが次々と展開されます。 アメコミ原作とは思えないアクションを堪能するなら間違いのない作品です。
ヒート
マイケルマン監督の映画であり、男臭いストーリーでも有名な作品です。 しかし、一部のマニアから「ガンアクションが非常に優れている」作品としても有名です。 この監督で共通なのが、とにかく銃声の乾いて響くサウンドがたまりません。 いわゆるハリウッドの作られた感のある銃声ではまったくございません。 また、マガジンを交換するシーンも積極的に描写されており、アクションの緩急がついています。アクション映画としても名作なんです。 また、この映画を撮影するにあたりロバートデニーロ側、アルパチーノ側にはそれぞれ別のインストラクターがついており、銃器の扱い方や遮蔽物の使い方にも特徴の違いが出ています。個人的に警察側がきちんと隠れながら距離を詰めていく描写が大好きです。 まだまだミリタリーマニア垂涎のシーンとしては手動でショットガンシェルを取り出したり、せまいところでデニーロが後退し、「ハンドガンの短所」をつくところなど、アクションも丁寧にみる価値のある一作です。
グレイテスト・ショーマン
サマーウォーズ
冴えない男子高校生が主役ということもあり 共感してみていられるかと思ったが、実際のところそんなこともなく 主人公の小磯 健二は国際数学オリンピックの日本代表を狙えるほどの数学マニアだ こんな天才君を自分ごととして考えるのはなかなか難しいものではあった。 しかし、話が進むにつれて普通の男子高校生らしさや 問題に対して、立ち向かっていくかっこよさというのがどんどん出てくる。 細田守監督の作品は主人公のCVに俳優をよく起用するのだが 今作は主人公に神木隆之介が起用されている。 これがとても適役というか当時割と若手俳優だったにも関わらず キャラクターにフィットした演技をしている。 この点に関しては他の細田監督の作品を見てもらえればかなり差がわかるはずだと思う。 タイトルで細田監督の中で1番良かったと書いてある理由は声優にあると言っても過言ではない。 もちろんヒロインの篠原夏希の家族、特に祖母の栄との関係性には 思わずジーンときてしまう時もありストーリーも満足できる内容になっている。 2009年に公開されたとは思えないような仮想現実の描写も見どころの一つだろう。 2021年現在もあそこまでのネット環境になっていないことからもまだまだこれからも愛される作品だと思える一つの理由かもしれない。
るろうに剣心 最終章 The Beginning
関ヶ原
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