ヴィジット
このレビューにはネタバレが含まれています
アンフレンデッド
ありあまるごちそう
青の炎
マウンテンバイクに乗った主人公・櫛森秀一が、青々とした由比ヶ浜の海を背景にサイクリングロードを駆け抜けていくオープニングが爽快でした。演じているのは撮影当時はまだ19歳だった二宮和也で、高校指定の白いワイシャツと黒のズボン姿が初々しいですね。遅刻ギリギリで登校してきたかと思えば、放課後には所属している美術部の部室にも顔を出さずに帰宅してしまうマイペースさに笑わされます。 そんな秀一に教室の隅から意味深な眼差しを送っている、福原紀子役にキャスティングされている松浦亜弥のセーラー服姿も見逃せません。同級生とも仲が良くお調子者で社交的な秀一、ミステリアスでちょっぴりクラスで浮いている紀子。正反対のふたりの間にロマンスが芽生えていく学園ドラマかと思いきや、中盤以降は本格的なサスペンスへと加速していき驚かされるでしょう。 ごく普通の男子高校生が大切な母親と妹を守りたいあまりに、一線を超えてしまう瞬間には胸が痛みました。密かに想いを寄せていた人の秘密を知ってしまった時、果たしてその人を愛せるのかという究極的な問いかけを受け止めてください。
Fukushima 50
17歳のカルテ
戦場ぬ止み
原発は東北地方へ、アメリカ軍基地は沖縄へという中央から地方への一方的な危険の押し付けには憤りが湧いてきました。本来であれば県民の暮らしと命を守るはずの沖縄県警や民間の警備会社が、基地建設反対運動の排除に駆り出されるという不条理な構図が伝わってきます。 市民運動の中心となっているのは漁業従事者や環境保護家、さらには第2次世界大戦中にひめゆり挺身部隊に所属していた80代の女性も参加しているのが運命的です。「あなたたちのような若い人を死なせたくないから」という彼女の言葉には、反対派の排除に躍起になる機動隊員たちに届いたのでしょうか? 政治的なメッセージが強いドキュメンタリーではあるものの、時おり琉球音楽や伝統的なお祭りのシーンにはほっといと息つけるでしょう。クライマックスの近くで映し出されていくのは海面が青く輝く辺野古の海で、天然のサンゴが生息する楽園のような美しさです。果たしてこの海を埋め立ててまでオスプレイを飛ばす必要があるのか、沖縄で何が起きているのか見届けてください。
ゴジラvsコング
前作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」がとても良かったのでかなりの期待を持って鑑賞しました。 映画館で観るには文句なしの大迫力で、前作は少しバトルシーンがごちゃごちゃして見づらかったのが解消されているかなといった印象です。ほとんどゴジラVSコングだけだったからかもしれませんが。 コングと心を通わせる少女に頼り切ったような感動の人間ドラマが薄いです。前作は芹沢博士が命を投げ出すシーンや、親子愛など、怪獣との戦いの隙間隙間にうまく人間ドラマが織り込まれていた印象があります。モナークの人々やテロリストたちも存在感がありましたし。 本作も芹沢博士の息子が出てくるというし、どんなドラマが展開されるのかと思いきや、まさかの息子・・・しかも演じる小栗旬さんは白目をむいていたことぐらいしか思い出せません。 父親と確執があったのかなんなのかわかりませんが、そのへんは特に触れられず、ただただ怪獣バトルアクションに重きを置いた作品だということがよく伝わりました。 もしかしたら見落としている何かがあって、何度か鑑賞すればわかることがあるかもしれませんが、ストーリーは随分簡単にまとめられたなと感じます。 ゴジラもコングもさすがのクオリティですし、映像も見ごたえ十分で大迫力!でも人間ドラマはすっきりとして少な目。そんな作品だと思います。 あくまでも主人公はゴジラたち怪獣で、怪獣映画だから、人間たちの物語は重要じゃないという意図かもしれませんね。 前作を見て怪獣バトルにワクワクした人なら絶対満足できると思います。
樹海村
「犬鳴村」もそうでしたが、幽霊物のホラー作品だと思って観ると全然違います。 呪いがらみの化け物映画という感じですね。 本作は始まりからけっこう怖くて、樹海で生配信する人って現実にもいそうだし、実際にいたし、なんかそんな軽いノリでやっちゃだめだよ~とハラハラして引き込まれました。 そして全体的にも想像していたよりもわりと怖かったのですが、終盤にかけてよくわからなくなります。 そもそも“コトリバコ”がよくわからない。樹海に捨てられた人の呪いがこもっているのはわかりますが、村を築いたのならなぜそんな残虐な儀式めいたことをして暮らしていたのか、なぜコトリバコが樹海ではなく民家の軒下にあったのか。 ざっくりと想像しながら観るしかなかったです。樹海と無理に結び付けなくてもよかったのではと思ってしまいます。どうしても村にしたかったのでしょうか。 でもキャストは良かったですよ。山口まゆさんは映画「相棒」でしか観たことがなかったのですが演技がとても上手だと思いました。妹を演じた山田杏奈さんは、良い意味ですごく地味で顔もよくわからないくらい暗い役でしたが、その存在感が映画ではないようなリアル感があって素晴らしかったです。 ストーリーに期待せず、怖い雰囲気でぞくぞくしたいという人におすすめでしょうか。
プロミシング・ヤング・ウーマン
2分の1の魔法
さすがディズニープラス、さすがピクサー。 インディージョーンズをパロったシーン等もあり楽しい気持ちで鑑賞できましたし、ホロッと感動するシーンもあり満足でした。 ただ、一緒に見た友人はイマイチだった模様。 理由を聞くと、魔法オタクのお兄ちゃんは魔法が使えないのに、魔法に興味のない弟は魔法を使える点。魔法が大好きなお兄ちゃんが報われず、全く興味のない人に能力が与えられるのはどうかという意見、確かにハッとしました。
BanG Dream! Episode of Roselia I:約束
ライブの演出がよかった
ファーザー
アカデミー賞主演男優賞にノミネートした 「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」のリズ・アーメッド、 「マ・レイニーのブラックボトム」のチャドウィック・ボーズマン。 個人的にはリズ・アーメッドに取ってほしいと思いつつ、2020年に亡くなってしまったチャドウィック・ボーズマンで決まりだろうと思っていましたし、前評判もそのような感じでした。 しかし!アカデミー賞受賞の会場にもいなかった「ファーザー」のアンソニー・ホプキンスが受賞。 えええ!と驚いた記憶があります。 認知症を、周りの環境からではなく、老人本人の目線で描いたというこの作品は、アカデミー賞受賞うんぬんに関係なく見たかった映画だったので、緊急事態宣言中でも映画館が再開したので映画館で鑑賞。 本っ当に見てよかった。アンソニー・ホプキンスの演技、すごい。。これは、主演男優賞だわ。。と思いました。ちょっと舐めてた、彼の演技力を。 認知症の老人役の勝手なイメージで、ブツブツつぶやいていたり、よくわからない事を言っていたり。。という、難しくない役のイメージが勝手にありました。 ですが、このファーザーの認知症の老人役は、よく喋るし、一見ボケているように見えないシーンがあったり、とにかく難しい役どころだと思いましたが、見事に演じきっていました。 アンソニー・ホプキンスでないと演じられない、彼以外にいないと思いました。 ストーリーは前評判通り、老人目線で物語が進むので、アレ?どういう事?と情報がゴッチャゴッチャ。時系列もよくわからない。そんな感じで進んでいき、サスペンスではないので、結局正しい物語や時系列が映画の中ではわからないままで、ある意味スッキリしない。 そして、認知症の老人の話なので、ハッピーエンドも考えづらく、ある意味救いのないストーリーとも言える。それでも、見て本当に良かったと思える不思議な余韻の残る映画でした。
SNS-少女たちの10日間-
ブラック アンド ブルー
2019年の「侵入する男」のデオン・テイラー監督のポリスアクション大作で、主人公の黒人女性警官が、隠れて同僚が犯罪を犯しているのを目撃したために、犯罪組織と本来自分側である警察からも追われる身になってしまうストーリーです。 ストーリー自体は、わりとよくある感じなのですが、脚本が2006年の「フライトプラン」のピーター・A・ダウリングなので、しっかりとした脚本が書かれていて、見ていてつっこみどころもほとんどなく、すんなり主人公の女性に感情移入ができて最後まで楽しめました。主役の黒人警官を演じたのは、ナオミ・ハリスで、彼女は「ニンジャ・アサシン」や「素晴らしきかな、人生」などにも出演している演技派の女優です。彼女の繊細でありながらダイナミックな演技と迫力のアクションシーンもよかったです。本作は、胸のカメラによるカメラワークなども凝った演出をしていて、見ていてかなりハラハラしました。なんとなく展開が予想できる感じですが、作品自体の出来がとてもよく、2時間弱のけっこう長い映画でも、展開のテンポがよいので、途中で飽きることなく一気に見ることができました。
女神の見えざる手
ロビー活動、ロビイストという言葉は聞き慣れない言葉だったのですが、 ”特定の主張を有する個人または団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動”がロビー活動で、コレを行う人である主人公エリザベス・スローンはロビイストという事です。 政治関連の議員を口説いていく話なので若干自分には難しかったのですがテンポよく話が展開して、スカッとするシーンもあり、楽しめました。見てよかったです。 ■残念だった点 セリフが多い!そして、政治関連のワードが飛び交い、スッと理解できる内容ではないので、ひたすら字幕を追う、追う、追う・・・背景と字幕を一緒に見る事が難しいくらいのテンポで字幕が流れていきます。 ゆっくり、リラックスして映画を見たい時は向かない映画かなと。 ■最大のどんでん返しが読めてしまった みなさん高評価だったので、自分がひねくれた気持ちで映画を鑑賞してしまったせいでオチが見え見えだったのかも。 そうだよね、脚本面白くするならこうするよね、という予想がそのまんま当たってしまったので、ちょっと冷めてしまった。。最近映画をたくさん見ているので、変なアンテナが働いてしまったのかもしれない。
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
本作は、単体での「スパイダーマン」作品ではなくて、「アベンジャーズ/エンドゲーム」のラストに直結しているストーリーになっています。アベンジャーシリーズとの関係があるので、トニー・スターク追悼の壁画や献花などがでてきます。基本的な内容は、トニーからの意思を受け継ぎ、アイアンマンの後継者として少しづつ成長していくという流れです。 今作の見どころ一つでもある、新スーツのステルススーツとアップグレードスーツですが、デザインがとてもカッコよく、両スーツでのバトルシーンもしっかりあるので見応えがありました。あと最初の場面で、アイアンスパイダースーツも見れるのも良かったです。個人的に好きなシーンなのですが、サノスの合図で消えた学生たちが、5年後の世界に戻ってくシーンが観れたのが良かったです。ひとつ気になるのが、アベンジャーシリーズとの関連があるせいか、ストーリー展開で若干強引さを感じたことです。 でも、後半からの目が覚めるような映像の連続が、まさにノンストップジェットコースターと言えるようなシーンで凄まじかったです。アベンジャーシリーズの繋がりがよく分からなくても、この映像体験をするだけでも、十分に楽しめて観る価値があると思います。
この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説
TVアニメ「この素晴らしい世界に祝福を」の劇場版で監督は金崎貴臣です。私は原作からのファンなので、同作の劇場版は、待ちに待ったという感じで観るのを楽しみにしていました。 実際に観てみると、正直評価が分かれるかなというのが率直な感想です。理由としては、原作に比べて、大きく変えられている部分がけっこうあるというのがあります。 例えば、安楽少女の場面や、紅魔族にシルヴィアがテレポートでからかわれる場面がカットされていたりと、原作ファンの方にはちょっと不満を感じるかもしれません。 しかしその代わりにといった感じで、ちょこちょことオリジナルのカットが入っていて、原作では出てこない映画版のオリジナルキャラが出てきます。もちろん、映画版のオリジナルキャラも魅力的なキャラクターですが、原作を変えているところが、好き嫌いが分かれるかもと正直感じました。 全体的には、どちらかというとダイジェスト的な印象で、原作ははもとより、TVアニメ版を知らない方が観ると中々ついていけない部分があるかもしれません。 原作の部分的なカットは意見が分かれるかもしれませんが、個人的にはゆんゆんめぐみんのオリジナルバトルがとても迫力があってとても良かったです。原作の内容にあまりこだわなければ、より楽しめるかなと思いました。
ミッドサマー
ホラーというジャンルではココ数年でも最大級の話題作だけど、147分という異様な長尺が気になってスルーしてましたが、ようやく観ました。 その結果。ナ、ナンジャコラ……。 ハッキリ言って、初体験の衝撃作でした。 よく『新感覚』って言葉を使う作品に限って大したことなかったりするものなんだけど、本作は違った。この映画こそ『新感覚』のホラーと言って間違いありません。 そもそも従来のホラー映画の常識を覆す作品なので、ホラーと呼んで良いのかすら分かっていないのですけどね。 まあ、怖かったのでホラーなのでしょう。 ボク個人としては、本作の正しいジャンルは『儀式』だと思う。 ストーリーなんてほぼナイし、ずっと北欧のカルトな集落の儀式をプログラムに添って映しているだけ。ダンスとかもガッツリあるから、147分も納得です。そら時間掛かるわ。 でも全然退屈はしなかった。 不思議なんですけどね。 ショッキングなシーンは前半以外は特にないし、テイストは牧歌的と言ってもいいくらい。それでもじわりと怖くなる。 明るいのに、闇が深い。 グロテスクなのに、雄大で美しい。 何なんだこの映画。 新感覚過ぎて、感想がイマイチまとまりません!
クルエラ
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