私はコーヒーが大好き。朝の一杯がないと、すっきりしないくらいです。
本作は、そんなコーヒーの豆を作る生産農家と、農家の組合長を中心に描いた作品です。
主な舞台はエチオピア。そこでは農民たちがコーヒー豆を懸命に作っています。
しかし、それに見合う対価はあまりにも低すぎるのです。
消費者に届く末端価格に対して、彼らが受け取る利益は数%。
世界中でコーヒーが愛飲されているのにも関わらず、彼らは子どもを学校に行かせることすらできません。
毎日飲んでいたコーヒーのそんな裏側に衝撃を受けました。
私はエスニックな物が好きで、よく買います。
中にはフェアトレードの商品を手にとったこともあります。
フェアトレード商品は、特に高くはありません。
きちんと商品に見合った価格になっていたのを覚えています。
安く仕入れて高く売るのが資本主義だと言ってしまえばそれまでですが、生産者がいなくなってしまえば「物」は手に入らないのです。
飢えと貧困に苦しむ生産者。
それに対して、カフェで店長をしている優雅な女性や「おいしいコーヒーの淹れ方」を競う男性などの欧米諸国の人々。
その対比がくっきりと描かれていました。
発展途上国をそう足らしめているのは誰なのか。
その責任は我々消費者にもあるのだ、と強く感じる作品でした。