[ホーム・アローン」で一世を風靡したマコーレー・カルキンの出演作です。
個人的には「ホーム~」よりこちらのほうが好き。
まだ思春期の入り口に立ったばかりの少年と少女の物語です。
あらすじにあるとおり、彼女の家は葬儀屋を営んでいます。
冒頭で遺体を手術台のようなものに載せてなにかやっているシーンがありますが、これについて少し補足。
これはエンバーミングという処置を行っています。
土葬が中心のキリスト教圏では、遺体の防腐をしたり、損傷などがあれば修復などを行います。
そういった家庭で育った少女・ベーダ。
明るく溌剌とした彼女ですが、死に対して忌避感を持っていました。
そんな彼女が少しずつ変化していくストーリーです。
マコーレー・カルキンが演じるのは、彼女の親友・トーマス。
初恋未満のふたりですが、互いに大切な相手であることが描かれています。
この微妙な心の機微が巧みに表現されており、爽やかな印象を感じる作品になっています。
主人公はベーダ。しかし、「マイ・ガール」というタイトルですから、トーマスから見た視点と考えてもいいかもしれません。
彼との交流や、父親との関係の中で変わっていくベーダ。
作中で、詩のサークルでベーダが自作の詩を読むシーンが2回あります。
一度目と二度目では明らかに違いがあり、ベーダの心の成長が伺えます、
「ガール」から「ウーマン」への入り口に立ったベーダの姿が凛としていて美しい作品でした。