ブラック・クランズマン
あの白人至上主義の団体、K.K.Kに、黒人警官が潜入捜査?!…分からん。どういうこと? それを、スパイク・リーが親切丁寧かつ、知らなかった様々なことを、今作でも教えてくれますが、ブラックジョークで笑えなくなる作品は初めて観ました。 冒頭から、頭の中が?の連続。それが、想像をしているよりも、強い怒りを表現する演出だと分かったのは、鑑賞後。 最初の方で登場する元ブラック・パンサー党のカー・マイケル(クワメ・トゥーレ)の演説と、後半のハリー・ベラフォンテの話は、言葉がなかったです。そこにいた人たち同様、観ているこちら側も、聞き入り、心揺さぶられました。特に、ハリー・ベラフォンテの話は、壮絶。 主人公のロンと組むフリップとジミーの3人の軽妙なやり取りや、上司の一言には、あの団体に潜入捜査というのを忘れさせ、思わず笑ってしまう。そして嬉しい驚きだったのが、ジミーが、あのスティーブ・ブシェミの弟だということ。 笑っていられたのも最初で、捜査が進んでいくと共に、笑えなくなる。彼らチームは大丈夫なのかと、恐怖と不安にかられてしまった。 アメリカでは、日常的に「そこにある問題」ということに気付かされた。戦争があり人権運動があったし、初の黒人大統領もいたのに、何も変わってないんだ、と愕然とした。 日本人に、この問題に真の理解は出来ないと思う一方で、日本や他の国でも、人を見下さないと生きていけない人や、自分と比べ上とか下とか「レベル」を付けして生きている人がいることを考えると、ほんの少しだけでも重なる部分があると感じた。 ラスト、監督の怒りの爆弾を受けて、これがアメリカなんだ、と悲しくなった。
ジャッジ 裁かれる判事
ロバート・ダウニー・Jr.が主演ということで視聴しました。アイアンマンのあの飄々としたイメージしかなかったのですが、彼の苦悩に満ちた表情や必死な表情、演技がとても良かったです。より人間臭さにあふれてて、こういった役どころも良いなと思いました。 アクションやCGでド派手な映画もいいですが、こういった人間ドラマみたいなのもいいよなと改めて思わせてくれるものでした。一人一人の表情や気持ちも楽しめますし、ストーリーの深みも楽しめるからです。 男三兄弟でしたが、男兄弟同士の兄弟愛が素敵でした。三男は障害を持っているようでしたが、誰もそれをないがしろにすることなく、慈しんでいたのが良かったです。三男自身からも彼なりの家族への愛が伝わってきて、素敵な人物でした。 いがみ合っていた親子、兄弟たちでしたが、少しずつ心を通わせ、でもまた突っぱねて。結末含め、もどかしさ、やり切れなさを感じましたが、“現実は簡単にはいかないんだよな”と思わせるくらいのリアルさでした。かえってそれがこの映画の良さを出していました。 じっくり、人間ドラマを楽しみたいときにオススメな映画です。
ベイマックス
大人気キャラクターとなったベイマックス。見終わった後、ケアロボット欲しい!と思うこと間違いなしです。あのもちもちボディに抱き着きたいと思わされます。 子ども向け映画となっていますが、大人でも十分に楽しめる映画です。バトルシーンやカーアクション、謎解きもあったりするので見応え十分です。心温まる物語だということばかりが前面に出されていましたが、ハラハラ・ドキドキさせられることもあり、こういったバトルシーンなども見どころのひとつです。あのマシュマロボディからは想像出来ないような、バトルモードのベイマックスの姿も必見です。 ベイマックスだけでなく、周りの青年たちも個性豊かな戦い方をします。超能力ではなく、個々の発明したものを駆使した科学的な感じが良かったです。 主人公・ヒロの科学知識の豊富さが誰かのセリフやナレーションだけで済まされず、実際に発明したものがあることや、頭脳明晰だと分かる場面がしっかりあるのも良かったです。だからこそ、“この導き出された未来なんだ”と納得することが出来たからです。 癒しと爽快感を両方楽しんでほしい映画です!
女王陛下のお気に入り
このレビューにはネタバレが含まれています
シンデレラ
主演の吹替えの声が声優さんではなく俳優さんだったので、字幕で見ることにしました。ストーリーは誰もが知っているものなので、実写の映画では、発達した映像技術による映像の美しさを楽しむことが出来ました。また、より一層表情が一人の人間としてリアルに伝わるので、身近な物語のように楽しむことが出来ました。 シンデレラが魔法を掛けられるシーンは息を呑む程で、とても綺麗でした。あのドレスの美しさといったら…!私の心の隅の方に居る“女の子”がキラキラした気持ちで見ていました。また女優さんのあの表情が、よりワクワクやキラキラした気持ちを増やしてくれたように思います。 シンデレラの優しさや心の真っ直ぐさも、とても良かったです。また、王子の付き人の方(黒人の俳優さん)が、自分の芯をちゃんと持っている人で、勇敢さが格好良かったです。キャラクターも魅力的なのが良かったです。 継母や姉たちの、“ひとつくらい良い所が…”と思わせる隙がない、完璧なまでの悪役っぷり。最後のシーンで、悪役に対するモヤモヤやイライラがスッキリし最高でした。 知っている話を実写で見るのもまたいいものですよ!
モアナと伝説の海
吹き替えで視聴しましたが、違和感なく楽しむことが出来ました。尾上松也さんがマウイ役だと知った時は、あまりに自然すぎて驚いたくらいです。ディズニーらしく随所に歌唱場面がありますが、さすが歌舞伎役者なだけあり、歌もとても素敵でした。主人公モアナ役の屋比久さんの声も素晴らしく、歌声は抜群でした。デビュー作だとは思わせないくらいでした。 とにかく映像が美しいです!マンタが泳ぐシーンは特に美しく、一番好きなシーンのひとつになりました。そのシーンの先、祖母とモアナのシーンは、自然と涙がこぼれてしまいました。そこにある孤独も愛も知っているからだと思います。モアナの心の成長も感じられ、必見のシーンです。またほんの一瞬ですが、海へモアナが旅立つシーンで、黙って行こうとするモアナに母親が何も言わず荷造りを手伝ってくれます。モアナの気持ちも母親の気持ちも分かるからこそ心打たれ、こちらでもまた涙がこぼれてしましました。 映像の美しさや、愛を感じられる場面、少女の心の成長、壮大な歌を是非楽しんでほしいです!
ドクター・スリープ
あのシャイニングが好き過ぎる他の人たちは、この作品を、どう思うだろう?というか、観るのかな?とエンドロールを目にしながら、思った。 失礼ながら、シャイニングが好き過ぎて、この作品は観ようという気にならなかった。どうせ続編っていっても…。もうこの作品のことを忘れていた時、偶然、予告を見てしまい、興味本位で観たら… この作品も怖い。 ワーナー・ブラザースのロゴに驚くと同時に耳に入ってくる音。一気に鳥肌が立ちました。あの少年ダニーがユアン・マクレガー。時はそんなに経つのかと、シャイニングの世界にどっぷりと浸かって、トラウマ級のヘビーな体験だったものね、とダニーに寄り添っている思う間もなく、口を塞いでしまう。 そっちがこの作品の主役か! 心優しき友達ビリー、そして正義感の強い少女アブラとの特別な出会い、ローズ達との怒涛の展開。特に、ローズとアブラの攻防。好奇心と正義感が入り交じるアブラと、アブラを欲しがるローズとの攻防戦。どっぷりと世界観に浸からせてもらった。 だからこそ残念だったのが、終盤も終盤のあのシーン。ここまで来てスタッフの誰か何か言わなかったのか!と鼻息が荒くなってしまった。 それを差し引いても、良い意味で誤算の最高な続編だった。 よくぞ、映像化して下さった! そして、原作があるのを今知って驚いた。
グリンチ
字幕で視聴しました。ストーリー的には、グリンチの過去やシンディ・ルーのことについてもっと掘り下げてもいいのかなと思いましたが、子どもが楽しむのにちょうどいい感じでした。 クリスマスを題材にしているので、画面から楽しい雰囲気や幸せが伝わってきて温かい気持ちになれました。ストーリー的にもハッピーエンドだったので、クリスマスという日に見るのにぴったりの映画といった感じです。 グリンチの心が少しずつ変わっていく様子がとても良かったです。本当は良い人なんだというのが、所々ににじみ出ていたように感じました。 一番好きなシーンはグリンチが“クリスマス”を奪いに来るシーンです。発明した道具を駆使して奪うその様や手捌きが華麗で、見惚れてしまうくらいです。愛犬の可愛らしく忠実な感じもまた可愛らしくてたまりません。必見です!また、エンドロールが流れる場面でのアニメーションも素敵でした。むしろ私が見たかったシーンでしたので、大満足な気持ちで映画を見終えることが出来ました。是非、実際本編を見て楽しんでください!
ワールド・ウォーZ
ドーン・オブ・ザ・デッド
愛がなんだ
ソラリス
1972年に公開されたアンドレイ・タルコフスキーが監督した「惑星ソラリス」リメイクがこの「ソラリス」。監督は「コンテイジョン」や「オーシャンズ11」のスティーブン・ソダーバーグ、主演はジョージ・クルーニーです。 タルコフスキー版も綺麗な映像でしたが、こちらソダーバーグ版も美しい映像が楽しめます。SFではありますが「スター・ウォーズ」みたいな戦闘シーンやメカはありません。ただひたすら淡々と惑星ソラリスで起こる静かな狂気を描いています。タルコフスキー版もそうですが、テンポはかなり遅めなので、退屈に思う方もいる事でしょう。しかしこの映画のノリにハマれば、かなり楽しめると思います。興味があったら、原作スタニスワフ・レムの「ソラリスの陽のもとに」も併せて読んでみると、また違った趣きがあります。 それからこの映画でスノー役を演じたジェレミー・デイヴィスの演技が印象的です。ちょっと気弱だけど、神経質な感じが伝わってきました。なかなか面白い俳優です。
初恋のきた道
裸のランチ 4Kレストア版
映画に魅了されるきっかけとなった一本です。 だってカブトムシとタイプライターが一体化しているんですよ?しかもその肛門にヘロインをまぶせば良いとか……意味がわかりませんが、映像はシンプルでわかりやすすぎました。 こうやって難しい映画を出されると、あとはもう自分が理解したくてたまらないですね。とにかくフラミンゴだのヤクだの象徴的なイメージは出るのですが、はっきりとした答えは出ない。映像美を楽しむもの。合理的ではない、不可解を楽しむものだと個人的には思っています。 おそらくあらすじを知りたくて調べても、わかりやすい回答が出ないので有名な映画となっています。だって言いようがないんです。とにかくイメージの連鎖です。 妻はすでに薬で頭がおかしい。自分は小説家として売れようとしている。そんな中で彼は自分のタイプライターを黙らせるために殺虫剤を撒く。効果が抜群だったため、彼はそれをヤクとして売る。ところがやがてそれはいつの頃からか、わからなくなる……。 自分が何者?何のためにいるの?という根幹がゆらぎ、不安定になる映画です。美しいスーツとタイプライターの映像と表紙にだまされると、とても大変な目にあうでしょう。 現代映画の中で「最もドラッグ体験を再現」している作品かもしれません。
ザ・フライ
アキラ AKIRA
ゴーストバスターズ
アマデウス
宮廷で人気と富を自由に得るモーツァルト。しかしそのせいで、それまで宮廷音楽師として活躍していたサリエリは、宮廷を追われ惨めな思いをします。それを知らないモーツァルトは、サリエリのことを莫迦にした音楽等を披露し、サリエリをさらに追い詰めていくのです。そしてついに、サリエリはモーツァルトに毒を盛り、彼の命を亡きものにしようとするのでした。 もともとは演劇で有名なタイトルでしたが、本作で見事銀幕デビューとなりました。焦点となるのは、ずばり「サリエリの嫉妬」です。天才音楽家であるモーツァルトには、いくら嫉妬してもサリエリは及びません。ゆえに最終的には彼の死を願います。ところが、サリエリは普通の人間であるがゆえに、その罪の意識から逃れることが出来ないのです。その罪の告白から、物語はスタートします。 演劇やオペラなどでモチーフにされてきたストーリーですが、天才に及ばない人間の嫉妬を罪深く、なおかつ細かく描いているところが素晴らしい点と言えます。衆人が集う場所であえて「サリエリの真似を」とモーツァルトに強要するところなどは、見ていて痛ましいほどです。 モーツァルトはあえて純真に描かれており、最後までサリエリの企みに気づかず、むしろ「親友」はサリエリだと信じてこの世を去ります。 実はその相手こそ、自分が最も憎く、死ね!と念じた相手だとしたら? 果たして正気でいられるのか、どうか。それに立ち向かった作品が本作です。 「嫉妬」という業の深い感情を抱く者であれば、絶対に共感できる作品となっています。
トッツィー
売れない俳優が思いついたのは、性別を変えてデビューすること!男性だった俳優が女優「トッツィー」となってデビュー。そのはっきりとした物言いと性格で人気になります。 ところがちょうど彼は、男性として愛する女性が存在し、その女性の父が、トッツィーの大ファンだったことから、騒ぎが大きくなってしまうのです! 名優・ダスティン・ホフマンが男優と「女優」を演じるコメディで、いつ正体がバレるかヒヤヒヤしながらも楽しく映画を進めることが出来ます。好きな相手の「言ってほしい口説き言葉」を真に受けて、そのまま口説こうとするあたりはとても笑えるシーンです。 もちろん注目すべきは、ダスティン・ホフマンの演じる「女優」トッツィーでしょう。彼女は陽気で歯に衣着せぬトークで人気を得ます。しかしその実体は、売れない俳優でしかありません。実体とかけ離れて人気が出てしまったトッツィーに、ダスティン・ホフマンは手を焼くようになります。しかも、自分の恋愛相手の父親に求婚される始末! ここまでこんがらがってどうするんでしょうね? どうにかなるまでが映画でつづられており、気づけばダスティン・ホフマンの演じる「トッツィー」の魅力に引き込まれています。 こういう細かい映画が近年では見られなくなってきたので、おすすめです。
ミザリー
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