累 かさね
このレビューにはネタバレが含まれています
イーオン・フラックス
シライサン
はじまりのうた
この映画は好きな人が多いんじゃないですかね。 わたしは大好きです。定期的に見ています。 この映画ジョンカーニーさんが作られた映画です。ジョンカーニーさんと言えば音楽を扱った話を作ることで有名ですが、この映画もまさにそうです。 そしてなんとアメリカの人気バンドMaroon5のフロンロマン アダムレーヴェンが出ています。 歌手デビューが決まりニューヨークにやってきたカップル。 しかし彼氏の浮気が発覚し友達が出ていたライブハウスに嫌々出演したのがきっかけで、過去の栄光に縋り酒浸りでひどい状態のプロデューサーの目に留まり、CDを出す事に。 出てくる曲が全て、本当に全て良いんです。キーラナイトレの歌も良いしもちろんアダムの歌も最高です。そして他のキャストも私的には最高です。 マークラファロとヘイリースタインフェルド。 詳しく書くとネタバレになってしまうので書きませんが、それぞれの抱える悩みや問題をうまいことストーリーに織り交ぜて、愛や友情を挟んでまとめ上げる。 切ないのに爽やかな気持ち。辛いのに立ち直れる気持ち。 青春とは少し離れた年代の大人のなにかを描いているので大人の私たちが見ると心を鷲掴みにされるわけです。 サントラが欲しくなる!! 爽やかで綺麗で見応えがあって楽しませてくれる映画です。
空飛ぶタイヤ
レプリカズ
突入せよ!「あさま山荘」事件
非常に有名なあさま山荘事件を描いた物語です。 主な視点は警察側。 当時、かなりの一般人がこの事件に注目し、特に「鉄球突入」の日はテレビの視聴率が非常に高かったとのこと。 実は私はこの年に産まれ、突入の日が1ヵ月検診でした。 母が私を抱いて右往左往しているのに、父が病院のテレビに釘付けだったと当時のことをぼやいていました。 この作品を観て、真っ先に思い出したのがその話。 そして、やはり父がテレビに釘付けになってしまったのも理解できる、事件解決への道が描かれていました。 当時は知られていなかったであろう、警察内部での縦横関係のグダグダも描かれていて面白いです。 特に警視庁から指揮をとるために送られてきた佐々と事件現場である長野県警との関係。 指揮系統がかなり混乱していたことがよく分かります。 また銃器の使用についてもかなりギリギリまでもめていたようで、結果的に死傷者がでています。 あの事件については様々な作品がありますが、警察側の視点で描かれているのが興味深いです。 突入シーンも迫力があり、面白い作品です。
のぞきめ
同名小説の映画化です。 こちらは映画を観た後原作を読みました。 民俗学的な原作とは違い、ホラー要素が強くなっています。 人物関係なども違いますので、原作とはまた別の作品といった感じで楽しめるかと思います。 ある出来事がきっかけで「覗かれる」ような錯覚を覚えるようになる現象。 主人公の彩乃はテレビ局に勤務しており、その現象の一端に触れることになります。 彩乃の恋人・津田信二は小説家希望の青年。彼は名前からして明らかに原作者がモデルです。 ダムの底に沈んたはずの村が関わる怪異。 それに触れたことで「覗かれる」ようになるという不気味さが上手く描かれています。 全体的に面白く、ストーリー構成も飽きない形になっているのですが、彩乃役の女優さんの演技が非常に残念です。 台詞が棒読み気味ですし、悲鳴も下手でちょっと笑ってしまうようなもの。 他の出演者さんの演技がいいだけに、悪目立ちしている感じです。 ストーリーという素材の良さを、主演が全てダメにしているという残念さがもったいないです。 その辺りを気にしないようにして観れば、作品自体はいいと思います。
オーシャンズ13
ザ・ファブル
原作ファンです。岡田くん、ファブル役とってもハマっていたと思います。 むしろ岡田くん以上にハマる俳優さんはなかなかいないんじゃないでしょうか。カッコよくてコメディもアクションもできる岡田くんのおかげで、原作ファンも楽しく見ることができました。 ヨウコ役が木村文乃ちゃんと聞いたときはイメージ合わないな〜と思っていましたが、映画を見たらヨウコになりきってて女優さんの凄さを感じました。次回作はアクションシーンもあるようなので非常に楽しみです。強いヨウコいっぱい見たいです。 あと山本美月ちゃんがあんなに体を張ってくれるとは。 岡田くんのアクションも見応えありますが、本映画で一番光っていたのは柳楽優弥くんだと思います。頭がぶっ飛んだトラブルメーカーのチンピラ役、最高でした。 他にも向井理くんや福士蒼汰くんなどたくさんの人気俳優がいて、正直こんなに知名度のある俳優をてんこ盛りにする必要性あるか?との疑問はありましたが、 それだけ気合の入った作品だと受け止めました。 次回作が楽しみです!
刑事ジョン・ブック/目撃者
殺人現場を目撃した少年とその母親。その事件を扱う刑事が二人を守るが、 実はその事件には署内の別の刑事が絡んでいたため、逆に襲撃を受けてしまう~ 普通だったら、孤立無援の状態から如何にして逆転していくか、 を描くのだろうがこの映画はちょっと違う。 突如として恋愛映画へと様変わりしてしまうのだ。 襲撃により傷ついた刑事は、少年たちが住む村で匿われるように看病され、 次第にその母親と心の距離を近づけて行く。 この構成では物語的にはサスペンスが寸断されるので、 それを良しとしない向きも多いのは事実だ。 しかし、これはこれで実に素晴らしい恋愛模様が描かれており、 この変な物語構成が一つの個性として意義のあるものとなっている。 そしてもう一つ、この映画を唯一無二の存在に押し上げている要素がある。 それはアーミッシュを初めて取り上げた、という事だ。 この映画によりアーミッシュという前近代的な生活をしている宗教集団の存在を 知った日本人は少なくないだろう。電気を使わず、自給自足の生活を送る、 戒律の厳しいアーミッシュの女性と都会の刑事との恋物語は、 差し詰めロミオとジュリエットのようなものだ。 先ほどサスペンスの寸断と言ったが、それはタイトル通り、 殺人の「目撃者」である少年を中心として捉えた物語の場合の考え方だ。 一般的にはそう思われているのだが、逆に、もともと恋愛を 話のメインとして捉えた場合はどうだろうか。 冒頭にその位の設定を盛り込まなければ、外部の人間がアーミッシュの村で しばらく生活を営むような展開にもって行く事ができず、 物語が成立しないのではないだろうか。 つまりこの映画は「アーミッシュの女性と都会の刑事の恋愛模様を描いた、 現代版ロミオとジュリエット」という図式をやりたいがために、 冒頭にわざと大きな事件を持って来たのではないか。そう考えた方が しっくりとくる。 アーミッシュの女性を演じたのはケリー・マクギリス。 この後「トップ・ガン」の教官役で一躍有名となるのだが、 この映画ではもう少しふくよかで柔らかい印象の彼女が観られる。 それがとても自然な美しさを感じさせるのだ。 特に夜、体を洗う彼女を刑事役のハリソン・フォードが見てしまうシーン。 上半身裸の彼女は神々しささえ感じさせるのだが……ここである事に気付く。 そうか、これがまさにタイトルの「目撃者」の意味か、 「目撃者」は少年の事ではなくハリソン・フォードの事を言っていたのか! と思ってしまうのだが、どうだろうか。 しかし、二人がダンスを踊る場面は本当に名シーンだ!
ドクター・スリープ
「シャイニング」は読了しましたが、「ドクター・スリープ」は 途中で読むのをやめてしまいました。 しかし思ったほど世間の評価も低くないので、ちゃんと読めば 面白かったのかもしれません。 映画版「シャイニング」はもちろん傑作です。 これの凄さは別のところで語るとして、 とりあえずこの映画版「ドクター・スリープ」です。 一応「シャイニング」の続編ですが、個人的な見解としては、 全く別物と考えてみた方が良いと思いました。 前作が幽霊屋敷を描いたホラー物とした時、 今作はサイキックVSヴァンパイアを描いたバトル物です。 とはいえ、バトルの描写が弱いのでなんとも言えず中途半端な感じがしました。 「シャイニング」の能力をもった子供たちを拷問したり殺すときに発生する 「生気」を吸って半永久的に生きながらえている「トゥルー・ノット」という、 要するに新手のヴァンパイアの集団が今作では登場します。 しかし、であれば、最終的にはもっと大掛かりな トゥルー・ノットVSシャイニング軍団の様な図式になっていった方が 面白くなったような気がしました。 また、前作映画のシーンを再現して一部取り入れるなど、 原作者のスティーブン・キングだけでなく前作監督である スタンリー・キューブリックと、一見双方へ敬意を払っているかのように 思えるものの、言い方を変えれば双方もしくは双方のファンの顔色を伺うような 作りをしているとも言え、もっと悪い言い方をすれば嫁姑問題 (キングがキューブリックの映画を批判していたのは有名な話)の間を取り持つ、 自己主張のできない気の弱い婿殿のような、 そんな独自性のない映画となってしまったようにも思えました。 まあ逆に言えば、嫁と姑の間に果敢に割って入り、 婿殿が自分を殺してまでも積極的に2人の仲を取り持った(ようにも見える)ところは、 この映画一番の成果なのではないでしょうか。
ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
ゴーン・ガール
子供時代から有名だったエイミーが失踪し、夫のニックは不幸な被害者としてメディアもエイミーの捜索を呼び掛けていたものの、徐々にニックが妻のエイミーを殺したのではないかと加害者として世間から見られるようになります。一方エイミーの視点から結婚生活が徐々に崩壊していく過程が描かれていきます。夫のニックがエイミーを殺したのか、どうしてエイミーは姿を消したのか怒涛の展開になります。 無自覚・無神経な夫をベン・アフレックが好演しています。夫婦のなかでも徐々に関係がズレていき、淀んだ泥水のようにになっていく過程が描かれています。一方ロザムンド・パイクがたくましい妻を演じており、最初は彼女に共感して応援するものの、徐々に狂気にかわり恐怖を覚えます。そこまでするか!?と思わせますが、夫婦の形はそれぞれなのだとゾッとします。全世界を巻き込んだ大迷惑な夫婦喧嘩のお話です。男性はこの映画を見て、妻に対する振る舞いを省みると良いと思います。
鬼手
復讐心を胸に、ひたすら囲碁を打ち続ける、主人公の少年。 釜山で、何人もの大人を負かしてお金を稼いでいる姿を見ていたのが、片腕の棋士ホ・イルド。 少年は住む所もなく、もっと強い囲碁をしたいが為に、弟子入りするのですが…。 スパルタにも程があるけど、囲碁や将棋、チェスは歴史あるものです。 生半可では、上達の道はない、復讐すら出来ないのだな、と丸坊主になった少年を観つつ思いました。 そして、成長したら、いきなりアクションシーンが盛りだくさん。 囲碁が強いということが、仇となり、賭け対局をして負けた人から、恨みを買います。 すると、追われます。体力的な戦闘力もアップさせなければいけません。 後で知って驚いた主人公役のクォン・サンウ。無口でムキムキ。 「探偵なふたり」のベラベラ喋るあの人と同じ人とは思いませんでした。 最後の対局も印象的でしたが、個人的に占い師との対局が薄気味悪くて、面白かったです。 「神の一手」も面白かったですが、まさかスピンオフ作品とは思いませんでした。 「神の一手」を観ていなくても、囲碁を知らなくても、全く問題なく楽しめるアクション映画です。
ソーシャル・ネットワーク
今や全世界の人が利用しているであろうSNSサイトのfacebookを創設したマーク・ザッカーバーグの半生を描いた作品です。facebookの立ち上げから右肩上がりに発展していく過程とザッカーバーグが訴訟される手続きを描くシーンが同時並行的に進んでいきます。終始早口で展開が早く、内容を理解するのでいっぱいいっぱいですが、次々に話が展開していくさまは爽快で頭のいい人の頭の回転はこれだけ早く、頭の中を覗き込んでいるような感覚になります。facebookの前身となるものができたのは、ザッカーバーグが女性に振られたことをきっかけにハーバード大学の女学生の格付けサイトを作ったことが始まりでした。その時点でザッカーバーグの性格が最低だと分かりますが、その後も共同経営者が徐々に足手まといとなり最後には裏切るなど、facebookの発展のためなら情も何もない行動を続けます。巨大組織を率いるには時には人望のない決断が必要なのだと思います。一方で最後に振られた女性のフィードを更新し続ける姿は、彼も私たちと同じ感覚を持っている象徴のようでニヤリとしました。
エクス・マキナ
Googleのような検索エンジンで有名なIT企業「ブルーブック」で社員として働く青年ケイレブは、社内の抽選で社長のネイサンの自宅を訪問し、あるプロジェクトに参画する権利を得ます。人里離れた山岳地帯の豪邸までヘリコプターで移動し、エヴァと名付けられたAIの実証実験を担当することになります。そのAIは親しみを感じるように顔は人間の美少女のようにデザインされています。テストの名目で日々エヴァとコミュニケーションを取るにつれて、ケイレブはエヴァに惹かれていきます。 現実でもAIの台頭は記憶に新しく、映画のような未来も近いのではと思わされます。途中までは美しい景色や豪邸、身体がメッシュ素材のAIエヴァの造形は見ていてうっとりしますが、徐々に展開は不穏な空気になり不気味で怖いです。人間はどうしてこうも愚かなのか、信じたいものを信じようとして間違った判断をしてしまうのか、AIより人間の方が不完全のように感じます。限られた空間の中で、数人しか登場しない作品ですが見ごたえがありました。
セブン
ヒトラー暗殺、13分の誤算
タロウのバカ
母親から育児放棄されていて、学校に行ったことのない中学生くらいのタロウと、高校の柔道部で怪我をして柔道を続けられなくなったエージと同級生のスギオの話です。 障碍者や高齢者を食い物にしている半グレを襲撃してお金を奪おうとしたりしていくうちに、偶然、拳銃を手に入れることになります。 以前の不良少年を扱った映画では、グループで団結したり、素手で決闘したりしましたが、本作では最初からそのようなこだわりも何もなく、単に奇声を上げ、凶器を使い半グレを襲撃してお金を奪おうとします。 社会の経済的な衰退とともに、少年たちもどんどん人間であることが難しくなってきている様子が描かれていますが、会話などではなく、あくまで行動で描かれています。 大森監督の「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」をもっと年齢を低く設定して作った感じの映画でした。 行き詰った現代社会の、先の見えない状況というのは、居場所のない子供に一番影響を与えているのでしょう。
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