デビルズ・ソナタ
このレビューにはネタバレが含まれています
パラサイト 半地下の家族
韓国の経済格差をコメディ要素も交え描かれたポン・ジュノ監督作品。 カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞 アカデミー賞作品賞受賞作 半地下に住むキム一家は宅配ピザの箱をガサツに作りながら下水臭い家の中でフリーWi-Fiを探しながらスマホを使い生活する毎日。 友人からの紹介で金持ちの家庭の子供の家庭教師になるところから家族の計画が始まる。 兄も妹もそれなりの学力があるのに、金持ちの家に家族全員で寄生する為の綿密な計画、金持ち夫婦の信頼を掴む為の話術、そこまで上手くできるこの兄妹ならちゃんとした仕事につけるんじゃない? と思ってしまうが、それができないのが今の韓国の経済状況なのでしょう。 序盤のソン・ガンホ演じる父親の情け無く滑稽に笑いを誘う演技には引き込まれると同時に心苦しくなる。 父親の「無計画が人生をうまくまわす」というセリフはノーテンキでいい加減なようで本来、人生とはそんなものなのかもしれないと思わされました。 観た後も色々と考えさせられる良い映画でした。
グローリー 消えた腕時計
search/サーチ
レミニセンス
マスカレード・ナイト
ザ・ピーナッツバター・ファルコン
ダウン症の少年を演じたザック・ゴッツァーゲンは本人もダウン症だそう。 まあ、そうなのかなあとは思ってたけど、にしても演技が上手かった。自然体だったということかなあ。本作がデビューだそうです。今後も活躍して欲しい。 作中で重要なプロレスとか水泳も、本人の趣味だとか。 いろんな意味でザックくんありきの作品だったんでしょうね。 本作はロードムービーとしても、ヒューマンドラマとしても良く出来ています。 ザック少年はモチロン素晴らしかったのですが、シャイア・ラブーフ演じる荒くれな海の男、タイラーが何とも個人的には刺さる存在でした。 そもそもシャイア・ラブーフにこういうイメージがなかったので、髭面の漁師役がこんなに似合うとは驚きでしたね。 クライマックスのプロレスシーンは、プロレスファンの目線で見るとちょっと物申したいけれど、ストーリーとか直接カンケーないので突っ込まないでおきましょう。 心温まる良い作品でした。
名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)
名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)
顔のないヒトラーたち
若くてエネルギッシュな検察官ヨハン・ラドマンの目線から物語は進行していきますが、決して超人的なヒーローとして描かれている訳ではありません。1日の終わりには事務作業とルーティンワークで疲れ果てていて、ことなかれ主義な同僚との関係に思い悩み、上層部から思わぬ横やりが入って挫折したり躓いたりしてしまうことも。 そんなヨハンを慈父のような目線で見守る、検事総長フリッツ・バウアーの存在が頼もしいです。さらにはホロコーストを生き延びたシモン・キュルシュとのあいだに、人種の壁を越えた共闘関係が芽生えていく展開に胸が熱くなります。 ナチスドイツを率いてヨーロッパ諸国に侵攻したヒトラー、ユダヤ人のジェノサイドを巻き起こしたアイヒマン、アウシュヴィッツで非道な人体実験を繰り返したメンゲレ。この映画には数多くの悪名が登場するものの、本当に恐ろしいのは名前を持たない大衆なのでしょう。単純な善悪の二元論では裁けない、誰もが虐殺者となりうる危険性を痛感しました。
僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング
ロング・グッドバイ
あの伝説のTVドラマ『探偵物語』に影響を与えたと言われる、「オフビート」さでは空前絶後であろうハードボイルド探偵フィリップ・マーロウ映画の変わり種。 原作の舞台は第二次世界大戦の記憶も新しい1950年代のロサンゼルスだが、本作は1970年代前半の撮影時そのままという、ある意味「ふざけた」作りであるのだが、その実、原作のエッセンスは忠実な映像化作品よりも濃厚であるという、矛盾した面白さ。 エレベーターが特徴的なマーロウのアパート(隣人のヒッピー娘とか50年代には存在しない)や、飼ってる猫の餌を24時間営業のスーパーに買いに行くくだりの、店員との「しょーもない」やりとりなんかは、カッコ良さが微塵もないにもかかわらず「ハードボイルドさ」はビシビシと伝わってきて、まだ本筋も始まらない超序盤なのに満足度はかなり高く、むしろこの辺りの描写こそが「本編」なのでは?と勘繰ってしまうほど。 ジョン・ウィリアムズの劇伴と歌の憂いを帯びた旋律もシーン毎のアレンジが絶品で良くマッチしていて、とても印象的。 ラストの「Hooray for Hollywood」の余韻の不思議さは、普通の映画ではなかなか味わえないと思います。
SPY/スパイ
基本的には勧善懲悪のスパイ映画ですが、アクションと同じくらいコメディに力が入っており、内容も少し変化球気味です。 まず目を引くのがジュード・ロウ、ジェイソン・ステイサムをはじめとしたという豪華な俳優陣ですが、主人公のスーザンはメリッサ・マッカーシーが演じておりコメディ女優らしくコミカルな場面が多いです。 スーザンの職業もCIAのエージェントではなく分析官で、志願してエージェントの任務に従事するものの、元は一介の内勤職員なのでスパイ映画によくあるスタイリッシュで人間離れしたアクションもありません。 しかし、スーザンが次々に訪れる危機を時には幸運で、時にはもっともらしい理由と口八丁で乗り切り、仲間の協力も受けながら核爆弾とマフィアを追う展開は笑えてドキドキもする見事なストーリーです。 また、ジェイソン・ステイサムはいつもの渋くちょい悪な見た目で、性格もぶっきらぼうでワイルドなのとは裏腹に、おかしな変装をしたり肝心なところでミスをしたりとドジを連発するのが見た目や俳優へのイメージとのギャップもあり面白いです。 スパイ映画としては少し変化球の入った作品ではありますが、肝心なところはきちんと押さえ、実力派の俳優陣の演技も活きている良作です。
ザ・マスター
メイズ・ランナー:最期の迷宮
アウトポスト
アフガン北東部の米軍の前哨基地の話ですが、周囲を山に囲まれていて、さらに味方のところに行くには崖沿いの山道を何時間も車で走らなければならないところにあります。 そのことだけを見ても、いかにアフガンを軍事的に支配するのが困難なのかが解る映画になっています。 小規模な攻撃の後に、数百人の敵が攻撃してきますが、米軍のライフルに光学照準器が付いていても、相手が多いと一人を狙って撃っている間に、他の敵がどんどん迫ってくるというところが、上手く映像で表現されていました。戦闘シーンで多くの敵に囲まれて攻撃されるという状況を上手く映像化している映画です。 周囲からの攻撃にさらされて手に負えなくなると、装甲車両や建物にこもって味方を待つというのは、米軍の標準的な戦術なのでしょうか。 何かと海外映画の日本版の映画のポスターは、色々と詰め込みすぎでデザイン的に良くないとの指摘がありますが、本作でも日本版のポスターは米国版と比べ、色々詰め込み過ぎでいていまいちでした。
ザ・サークル
世界的なSNSの企業に、普通の若い女性であるメイ(エマ・ワトソン)が偶然に入社する話ですが、恵まれて育った高知能な若者達が、カリスマ的経営者に率いられどんどん社会を変えていくようなネットの仕組みを作ってゆく話です。 主人公のメイは何かと違和感を覚えつつも、勤務環境の良さや、その企業の恵まれた健康保険に引き寄せられ、どんどんと深みに入ってゆきます。 妙に明るく清潔な社内の風景が、観る人によっては理想的な職場に見えたり、言いようのない違和感を持ち見えたりしそうでした。 何かと社会の分断について報じられている米国でも、言いようのない違和感を覚えつつもその経済的影響から、大手IT企業への不信感を表明しない人が多いのだろうと思いました。 技術的に可能になったことを深い考えなしにどんどん実用化するので、様々な事が起きてきますが、経営陣はその面倒な部分の影響を受けないために、あらかじめ対策をしているという話です。 NHK-BSで、ある識者が次のヒトラーが出てくるのは企業からかもしれないと言っていたのを思い出しました。
メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮
MINAMATAーミナマター
水俣病に関する報道を米国でした、ユージーン・スミスを描いた映画ですが、最近のジョニー・デップとは違う役柄を演じています。海賊映画などのエンタメ物を一通りやったので、以前から関心のあったことを製作兼主役として製作したのでしょう。 この映画の中では、公害の原因となった企業にとっても被害が大きすぎるので、賠償できる範囲も限られてくるという展開ですが、いかに企業などによる環境破壊などの公害を事前に防ぐ必要があるのかがよく解る内容でした。 米国映画で日本が描かれるときには、何かと違和感を抱く描写が多いですが、本作ではそのようなところはあまりありませんでした。 被害者の代表を演じるのは真田弘之さんですが、アクションシーンのない普通の人の役でも説得力のある演技を見せていました。 チッソの社長役は國村隼さんですが、最近は様々な国の様々なジャンルの映画に出演しています。本作でも賠償しようにも手に負えなくなった立場をじっくりと演じていました。
アメリカン・ソルジャー
監督のジェイソン・ホールは『アメリカン・スナイパー』の脚本を手掛けた方です。 戦争映画ではなく、帰国後の兵士のことを描いた映画になっています。 主人公のアダム(マイルズ・テラー)はイラク戦争から帰還しますが、フラッシュバックや不眠などのPTSDの症状で苦しみ、軍にいたときの仲間のトーソロ(ビューラ・コアレ)は爆発に巻き込まれた事による記憶力などの認知能力の低下で日常生活に困難をきたしています。 アダムは、自分は五体満足で帰れたのだから、恵まれている方だと周囲には話しています。 そして退役軍人省に行きますが、病院で診察を受けられるのも数ヶ月後と告げられます。さらにトーソロは記録の不備から、自分で負傷時の記録を探して提出する必要もあるのでした。 この20年ほど続いたイラク戦争やアフガンでの紛争が、いかに従軍した兵士の心身を破壊しているのかがよく解る映画になっています。 この映画の主人公のアダムのように、一見五体満足で帰ってこられても、PTSDなどで社会に戻れず、ホームレスになっている帰還兵も多数いるとのことです。 なぜアメリカで違法な薬物が帰還兵たちのあいだで蔓延しているのかも分かる内容になっていました。
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