あの頃、君を追いかけた
このレビューにはネタバレが含まれています
百円の恋
火垂るの墓
タイタス
シェイクスピアの悲劇をゴージャスに映画化した作品です。衣装や舞台装置、小道具にかなり気合が入っているので、そういった細かい部分でも十分に楽しむことが出来ます。 ローマ帝国の将軍・タイタスはゴート族の女王の息子を処刑し自分たちの兵士の鎮魂とします。しかし、ゴート族の女王・タモラは泣きついたにも関わらず長男を処刑したタイタスに復讐を誓うのです。その結果、タイタスの娘は凌辱され、ふたりの息子も殺されてしまいました。タイタスはさらに復讐を誓うのですが……。 正直、原作を知っていれば避けてしまうでしょう。復讐の方法は非常に残酷で、最初のタイタスがタモラの長男を殺したことが手ぬるいほどです。 なんといっても見どころはタイタスの娘、ラヴィニアの姿。彼女はタモラの息子たちにより凌辱され、手首と舌を切り落とされます。腕には小枝を刺され、そのシーンは美しくも恐ろしいインパクトを見る側に与えるのです。 このような仕業をされて、タイタスが黙っているはずがありません。さて、彼は一体どのような復讐をしたのか……これも内容がかなり壮絶なので、ぜひ本作を鑑賞してほしいです。 見どころは復讐シーンだけではなく、ゴージャスな衣装やローマの城などの舞台もとても美しく、異世界のような感覚に陥ります。
乙女の祈り
実話ベースの映画で、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作をのちに撮影することになるピーター・ジャクソンが監督をつとめています。 夢見がちの少女ポーリンとジュリエット。ふたりは互いの創作で「美しいものだけが住むことが出来る」ボロニア王国を創り上げます。ボロニア王国ではふたりは美しい姫や王子の設定を楽しみ、互いを無二の親友とするのです。 ところがあまりのふたりの仲の良さを心配したふたりの両親たちは、彼女たちの友情を「同性愛」として認識し、ポーリーンとジュリエット会うことを禁止してしまうのです……。 ふたりの想像上の王国と現実が混ざり合う奇妙な世界が見ている側にも侵蝕してきます。ふたりはこの空想の中では世にも美しい少女たちであり、満たされた存在なのです。思春期にありがちな創作に「自分にもそんな時代があった」と思い出す人もいるでしょう。 「同性愛」が絶対的タブーであるのは、彼女たちがキリスト系学校に通っていたという背景もあります。それでなくても昔の出来事ですから、両親はさぞかし心を痛めたでしょう。しかしそれ以上に心を痛めたのは、ポーリーンとジュリエットでした。このために彼女たちは「ふたりの愛のために両親を殺そう」とまで決めてしまうのです。 思春期の少女の空想が、意外な方向へねじ曲がっていく過程は見ていて恐ろしいものがあります。でもはかなげで美しい……。本来であれば、笑ってすますことの出来る過去となり得たはずなのに、純粋だからこそ恐ろしい方向に向かうという怖さが感じられます。 実際の出来事だったという点も、驚きのポイントと言えるでしょう。
キル・ビル Vol.1
布袋寅泰の「キル・ビル」のテーマがかっこいい映画です。それだけではなく、ブルース・リーのトラックスーツに日本刀など、男の憧れとロマンが詰まっています。 ストーリーは復讐劇で、主人公のブライドが結婚式の際に殺し屋ビルの組織に殺されたことから、ブライドが復讐を始めます。ブライド自身も昏睡に陥り、4年もの歳月を過ごしてしまいました。非常にハンデのある状態から、彼女はビルに辿り着けるのでしょうか。 千葉真一が登場したり、「GOGOユウバリ」として栗山千明が出演するなど日本人にとっては驚くようなキャスティングがされているのも面白いです。タランティーノ監督自身が大の日本映画と特撮のファンであることから、びっくりするようなところで引用されていたりします。 見どころはブライド演じるユマ・サーマンの殺陣です。日本刀アクションには慣れていないはずの彼女ですが、さすがに女優らしくかっこよく演じています。雪の庭園でのオーレン石井(ルーシー・リュー)との対決などはとてもかっこよいです。しかもかなりエゲつない殺陣もこなしています。キャットファイトのようにならず、あくまで剣士として戦ったのは男性でも女性でも憧れてしまうでしょう。 日本そのものではありませんが、高級料亭の雰囲気や庭園などはよく作られています。この無国籍感を楽しむのも個人的にはお勧めです。あり得ないだろと言わず、海外の人からするとこんな雰囲気で伝わってるんだなと見ると面白いでしょう。
キス・オブ・ザ・ドラゴン
捜査官リュウは拳法の使い手でありながら、麻薬捜査のためフランスを訪れます。しかし敵マフィアの罠により、犯人に仕立てられてしまうのです。無実を証明してくれるのは、現場の娼婦・ジェシカ。ところがジェシカもまた、娘と自分を麻薬組織に囚われてしまいました。リュウは単身で悪徳組織のアジトに潜入し、ジェシカ達を助けようとします。 しばらくアクションから離れていたジェット・リーですが、本作では久しぶりにカンフーを見せてくれます。相変わらずキレキレのカンフーで、冒頭のアクションからラストの締めまで華麗な技で乗り切ってくれます。 娼婦ジェシカとの何とも言えないこそばゆい恋愛模様もちょっとした見所です。一応リュウは独身で、ジェシカに気に入られたりしていますが、その照れている演技が可愛らしい部分でもあります。 タイトルにもなっている「キス・オブ・ザ・ドラゴン」は、リュウの必殺技です。一種の秘孔のようなもので、相手の動きを封じ心臓すら止める技ですから、滅多なことでは使用しないものとなっています。 もちろんこれをどこで披露するのかは、本作を見て確認してほしいところです。身体の大きい黒人たちをカンフーで蹴散らし、単身でアジトに乗り込むジェットはすごくかっこ良いです。身長が小さいので、やや迫力に欠けるところが難点でしょうか。あと、ヒロインのジェシカより小さい……というのも、許してあげてほしいところです。 ストーリー展開はスムーズで、かなりテンポよく進みます。うっかりしていると、関連性を見失ったりしますので、目を離さないようにしてください。
ワンス・アポン・ア・タイム/天地大乱
ジェット・リーとドニー・イェンという豪華コンビで撮影された、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」。2作目の「天地大乱」は最も素晴らしいと言われています。 辮髪でもジェット・リーはかっこ良い。昔の香港で台頭してきた白蓮教の争いに巻き込まれたフェイフォン。背後にはどうやら政府の影が。どうやら貿易の利を得るために利権を奪おうとしている様子。そんな中、フェイフォンは希望に燃えた若者・孫文と出会っており……。 香港アクション映画のはちゃめちゃ感が面白いのと、アクションシーンの素晴らしさに燃えるための映画です。特にラストのジェットVSドニーの棒術合戦は見ていてどちらが勝利するのかすごくハラハラします!天井から作物がバラバラと落ちてきて、その中で相手が見えずに戦うなんてすごく難しいことです。迫力満点となっています。 冒頭からジェットのカンフーが堪能できることや、テーマソングである『男兒當自強』が凄くかっこいいことも魅力です。見たら間違いなくカンフー習いたくなります。若いころのジェットは動けましたし、少林寺などで馴らした拳法がありますから型がとても美しいのです。個人的には何度見たかわかりません。 何故か孫文に出会ったりしますが、それはストーリーのスパイスとして楽しんでほしいです。この時代のドニー・イェンも若く、顔は現在よりずっとキツい印象となっています。辮髪や清王朝の服など、古い中国文化も楽しんでほしいところです。
パラサイト 半地下の家族
となりのトトロ
カンフーハッスル
マウス・オブ・マッドネス
オーメン
ハンニバル
レッド・ドラゴン
「羊たちの沈黙」の前日譚とも言うべき映画で、エドワード・ノートンがFBI捜査官として出演・主役を務めています。本作ではレクター博士のクレイジー度数が少なく、博士ファンは少しがっかりするかもしれません。 個人的には「悲恋物語」ではないかと考えています。「レッド・ドラゴン」とはウィリアム・ブレイクの絵画。これを見たダラハイドはそれまでは自分を束縛する祖母に屈する気の弱い男性でしたが、彼はブレイクの絵画にシンパシーを感じ自らを「レッド・ドラゴン」として連続殺人鬼として振る舞うようになるのです。 レクター博士は彼のトラウマを見抜き、FBI捜査官グレアムに示唆を与えます。しかし、ダラハイドにはたったひとり、愛する女性がいました。それは盲目の女性で、ダラハイドの姿を見ることなく彼を愛してくれた最初の女性です。ダラハイドは徐々に背中に入れた「レッド・ドラゴン」の刺青に支配され、殺人衝動を抑えられなくなりますが、この女性だけは守ろうとする姿はかなり泣けてしまいます。 もし、ダラハイドがごく普通の家庭で生まれていれば、恐ろしいまでの力の志向はなかったかもしれません。盲目の女性との愛も育めたでしょう。しかし、彼にはそんな運命はなかったのです。力に憑りつかれた彼は街を焼き尽くすドラゴンと化し、グレアムと対峙します。 レクター博士はこの映画では割と端役で、そこに不満を感じるかもしれません。ですが、このダラハイドの力と恋の物語は、見る側の心を必ず震わせることでしょう。
キャンディマン
「都市伝説」をケースとして調べている大学生の女性は、「キャンディマン」の噂について調べることに。これは鏡の前で「キャンディマン」と5回名前を呼ぶと、「キャンディマン」が現れて彼のカギヅメで殺されるという噂です。彼女はもちろん自分自身でも噂を試し、何も起こらないことから噂の発生源である黒人街を捜索します。しかしその頃から、彼女の前では鏡の前で殺されるという殺人事件が連続して起こるように。 正直とても怖い!です。「キャンディマン」は由来も切なく、黒人奴隷として懲罰を受けた際、全身に蜂蜜を塗られて蜂に刺され死亡したという者です。その悪霊が、女子大生を気に入ってしまったからさあ大変。同じ伝説として彼女も鏡の世界に引き込もうとします。 目の前に蜂、刺されてブヨブヨになった身体、口から湧き出る蜂たちなどとにかく「キャンディマン」そのものの登場が恐ろしすぎます!しかも呼び出しの噂はあっても、立ち去りの方法や退治する逸話などはありませんので、この研究に決めた女性が不憫でなりません。 絶対に気軽な気持ちでこのようなホラーな肝試しはしてはならないということがよくわかります。とても怖いのですが、「キャンディマン」の出生が気の毒すぎて、切ない気持ちも起きるという不思議なホラー映画です。 でも絶対に自分は呼び込みません!
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