シャイニング
原作を持っている映画はとても多い。 その場合、観る側にとっては、やっぱり原作の方が面白いなあ、 と感じる事が多いのは事実だ。 例え映画は小説とは違うのだ、と言ったところで、 そう感じてしまったらどうしようもない。 そんな中、原作よりも映画の方が面白い、 とまず間違いなくほとんどの人が言うであろう映画もある。 その代表格がおそらく「サイコ」と「ジョーズ」だろう。 そしてこの映画、「シャイニング」も、おそらくほとんどの人が 映画の方に軍配を挙げるのではないだろうか。 原作は言わずと知れたスティーヴン・キングの名作だ。 簡単に言えば幽霊屋敷(ホテル)の話であり、シャイニングとは、超能力のことだ。 ダニー少年はその能力でホテルの幽霊の存在をキャッチする。 しかし幽霊たちは家族に襲い掛かり、更に幽霊に憑りつかれた父が 家族を襲う恐怖を描く。キングの、いつも通りの細かな筆致で描かれたこの小説は 上下巻あるが、上はほぼ前振りと言っても過言ではなく、 物語の中心となるオーバールック・ホテルへとなかなか舞台を移さない。 人物描写の積み重ねはさすがだが少しもったりした感じを受ける。 映画版は少し趣が異なる。幽霊が出てきたり、父が家族を襲うのは同じだが、 その狂気は幽霊の問題なのか、それとも雪山という閉塞的な環境がそうさせたのか、 判然としないのだ。いずれにしても父が狂っていた事が分かる タイプ・ライターのシーンは、映画史上最もぞっとするシーンだ。 圧倒的な分量で打ち込まれたあの文字を見ると、 一体いつからこいつは狂ってたんだ、という驚きと同時に戦慄を覚える。 ぞっとすると言えばもう一つ、有名な双子のシーンがある。 ダニー少年が車の乗り物に乗ってホテル内を走り回っていると、 突然目の前に双子の少女が現れる。構図、照明とその背景が絶妙であり、 かつ瞬間的にインサートされるむごたらしい死体。 たったこれだけの事で観客はとてつもない恐怖感を感じるのだ。 ちなみにこの描写はダイアン・アーバスの同じく双子の写真から インスパイアされているのだが、引用という意味では逃げ惑う妻を追いかける男が、 ドアを斧でぶち壊すシーンはD・W・グリフィス監督の「散り行く花」からのものだ。 オリジナルではないはずなのに、もはやこの2つのシーンは「シャイニング」の 名シーンとして我々の脳裏に焼き付いてしまっている。 こう見ていくと、当たり前の事だけれど映画版は画面で観た時に いかに面白くなるか、いかに怖くなるか、それを考えに考えて撮っている事が 分かる。映画が原作に勝つにはやはり映像で勝負するしかないのだ。 この映画ではもう一つ、気付かされる事がある。感情の釣りだ。 人は泣いてる人を見ればなんだか悲しくなってくるし、 笑ってる人を見ると愉快になってくる。 そうやって相手の感情に釣られる傾向がある。 当然数々の作品の中にも意図的に感情の釣りを挿入してくるケースが多い。 この映画でしばしば話題にあがるのが、家族を襲う、 あの有名なジャック・ニコルソンの顔よりも、 その彼を怖がる妻のシェリー・デュバルの顔の方が怖い、という事だ。 これは、正確にはシェリー・デュバルの顔の造形が怖いという訳では無い。 彼女の、怖がってる様子に、こちらの感情が釣られてしまっている、という事だ。 彼女の怖がり方は超がつくほどの一級品だ。彼女がブルブル震えると、 こちらまで震えがくるほどの恐怖を感じてしまう。 怖いと言う感情に釣られてしまうのだ。 ちなみに、この感情の釣りだけで一本撮りあげてしまったホラー映画がある。 そう、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」だ。 そう考えれば、ホラー映画というのは、劇中で恐怖に襲われる 役者の重要性というものがよく分かるというものだ。 このように、シェリー・デュバルの顔も含めると、 映画版で有名な恐怖シーンというのは原作とは全く関係のない部分だ。 おそらく監督のスタンリー・キューブリックは、原作を怖い、とは 思っていなかったのではないだろうか、だからこんなにも周到に、 原作度外視で「恐怖」を盛り立てる要素を映画にぶち込んだのではないだろうか、 そう考えると、この映画は単に原作と少し趣が異なる、というレベルではなく、 否定=再構築されてしまったという事だ。 そして映画は大ヒットとくれば、これは公開処刑ものだ。 原作者のキングがこの映画を大嫌いというのもよく分かる。
禁じられた遊び
1952年のフランス映画。 名作なので今更自分がああだこうだと書く事もないのだが、ちょっとだけ。 ドイツ軍の機銃掃射にあい両親を亡くした少女ポーレット。 飼い犬のジョックは強く抱きしめすぎて死んでしまう。 そして川に捨てられたジョックを追っていき、その先で少年ミシェルと出会う。 とにかくポーレット役のブリジット・フォッセーがかわいくて素晴らしい。 と言うよりも、プロット上そうでなくてはならないのだ。 まず外見。ブロンドの髪と、おそらく青いであろう瞳は まさにフランス人形そのもの。 そして演出面では子供らしくわがままで無邪気な部分をうまく引き出している。 死んだジョックの墓を掘る時の一所懸命さなんかは特筆すべきシーンだ。 ものすごく、素晴らしい力強さで墓を掘っている。 でもそこがとてもかわいいのだ。 何でも一所懸命にやる子供というのはかわいく見える。 生きているゴキブリを手づかみするシーンには絶叫した。 黒光りするGが出てきた時の彼女の興味津々な目つきを見た瞬間、 うわ、まさかまさか、と思ったのだが……すごい、すごすぎるぞポーレット。 また、これは意図した事かどうか分らないが、ポーレットがいくら小さいとはいえ 今ではこんなにも映さないだろう、と言えるくらいパンツ丸出しのシーンが多い。 でも何だかこれも子供らしくてかわいい。 ミシェルがポーレットをかわいがるので観客としても一緒になって その感情が加速されていく。ミシェルは一番末っ子であり、 年も一人だけ離れているように見える。そんな時にポーレットが現れた。 ミシェルとしてはお兄ちゃんとして、この子の為に頑張ろうと思う。 慕われるので張りも出るし、だから一緒にいて楽しい。 どんどんどんどんかわいい妹の為に「禁じられた遊び」に没頭してしまう。 そしてこのかわいさは全てラスト・シーンに通じて行く。 どこかで誰かが叫んだ「ミシェル」という声をきっかけにミシェルの姿を探して 雑踏の中に消えていくポーレット。 もしもこれが、かわいげの無いクソガキだったら、生意気なだけの クソガキだったら、 誰も涙を流したりはしないだろう。 かわいい子供であればあるほど、不憫さが増す。 かわいそう、かわいそう、かわいそう…… だからこの映画はポーレットがかわいくなければならないのだ。 ポーレットがかわいければかわいいほど、この映画のラスト・シーンは締まる。 でもおそらく監督としては、予想以上の出来だったんではないだろうか。 そのくらいブリジット・フォッセーが素晴らしい。喜怒哀楽の表現がとても自然だ。 5歳という年齢の事を考えれば、映画史上最も優れた子役ではないだろうか。
劇場版ポケットモンスター ココ
このレビューにはネタバレが含まれています
ザ・ブック・オブ・ヘンリー
これは物凄く泣きました。 このヘンリーが良い顔してるんですよ、イットの子。あとルームの男の子も。 子役凄い!! それに負けじとナオミワッツもさすが!な演技でしたけども。 それも相まってもう泣けました。嗚咽ですよ。 頭も鼻も目も心も苦しかったです。 ヘンリーは天才でいて、優しくて正義感に溢れていて、純粋な子で家族の中では頼りにされている。自分が病に侵されて 物凄く痛いし辛いのに残された家族のことを考えるって、子供なのに、まだまだ小さい背中で色々背負って頑張ってきたんだな って色々思いを膨らませると胸が痛くて涙が溢れ出ます。 そして物凄く聡明。 そしてその弟もね、かつては単なる弟でまだまだ、小さい子という印象だったのに少しずつ頼もしくなるんですよね。兄弟愛素敵。 自分の死んだ子の声、他にも映像なんかを聞いていたらもう辛くて辛くてずっと泣いていそうな気もするんですけど、息子の思いをちゃんと受け取るんですよね。 お母さんも辛いのによく、頑張った。 結果上手いことまとまり過ぎ感は否めないですし、途中でちょっと色々詰め込み過ぎですが、この映画 とても涙が出て子供達を含めて、良かった。泣きたい時にオススメですね。愛で、優しさで、溢れている。 自分の近くで起きていることに無関心でいることはだめです。
ヤクザと家族 The Family
すばらしき世界
ショーシャンクの空に 4Kデジタルリマスター版
鈴木家の嘘
呪怨 終わりの始まり
透明人間
八日目の蝉
HOME 愛しの座敷わらし
マルコム&マリー
ジョゼと虎と魚たち
アンハッピーなことで有名な実写映画版に対してのアンサー的な作品。 原作小説は40年近く前に発表されており、その間にアップデートされた世界でようやく可能になった「トゥルーエンド」を目指し、見事に成功させた制作陣の意欲に敬服させられる。 実写では不可能であったジョゼの内面世界のイマジネーションを見事に豊かに映像化し、チープさをできうる限り排除し、所謂アニメ的な誇張も少なく、誰が見ても恥ずかしくない画面クオリティの高さが素晴らしい。 言い方が少し悪いが、小説、実写、アニメと通して見ると、まるで「恒夫(ジョゼの彼氏)ガチャ」のようでもあり、今回のアニメの恒夫は「大当たり」で良かったね、ジョゼという感想を抱いてしまう。 実写版の恒夫が靴が濡れるからと嫌がった海辺のシーンだが、アニメの恒夫はためらいもなく靴のままジャブジャブと海水に浸かり、それを見た瞬間に「勝ったな」と心の中でガッツポーズを決めました。 一度見ただけでは味わいつくせないほどキャラクターや小道具や背景に細かな芝居が付けられているので、是非繰り返しの鑑賞をしてみてください。
ザ・プレデター
これまでのシリーズの続きなので、プレデターを捕らえようという米政府の秘密組織が準備をしていて、そちらは小ぎれいなエリート感のある人たちで、主人公と共に戦う軍人たちは様々な障害を負っているという対比が良かったです。 本作ではプレデターや主人公よりも、途中から出てくるいろいろと障害を負った軍人の人たちの方がなにかと光っていました。 このシリーズの中ではかなり雑な方だと思います。 何かと特攻的な戦い方をするあたりは、「リーサル・ウェポン」の脚本を書いたシェーン・ブラックさんが作った映画らしいところです。 プレデターが喋ったものがプレデター語の字幕になり、それが英語の字幕になるというのは、次の作品でも使われそうでした。 残念なところは、プレデターが単なる凶悪エイリアン的になったところでしょう。人間をはるかに凌駕する科学を築いたのですから、他に描き方があったと思います。 本作は色々と詰め込みすぎでしょう。とりあえず、次作に期待したいと思います。
アイアン・スカイ
何かとバカ映画と評されていますが、いろいろと風刺の効いたいい映画でした。 第二次大戦で負けたナチスの残党が月の裏側に秘密基地を築いていて、選挙キャンペーンで月に行った黒人モデルが捕らわれるという始まり方ですが、月で使われている様々な物のデザインが昔のドイツ軍風に作ってあり、そこにいるナチの残党の子孫たちも、昔のナチスを信奉しているところなど上手く作ってありました。 地球の米国大統領は当時話題になったサラ・ペイリン風で、各国ともに秘密に宇宙兵器を配備していたりと、今から見ても内容的に十分に楽しめます。 昔の「ムー」の読者が好んでいたようなネタをいろいろと盛り込んでいて、それをわざわざ映画で展開するというバカらしさを楽しめる人には向いています。 ネットで様々な陰謀論やフェイクニュースを見ている人は多いようですが、様々なバカらしいものを詰め込んでわざわざ映画にするセンスが楽しめました。 製作費はハリウッドのSF映画の何十分の一なのでしょうが、引けを取らない面白さの映画になっていました。
クリフハンガー
イタリアの山岳地帯でのロケでオープニングから自然の雄大さがあって良い感じです。しかしそう思っているのも束の間、相棒の彼女が道具の不備から墜落死してしまいます。最後手袋だけの攻防でもう悲鳴を上げたくなるシーンですが、最後スタローンの手に手袋だけが収まるのが切なくなります。 と最大の見せ場はここだけで、あとは割と平坦に進んでいきます。敵の御一行もあまり賢い感じではなく、体育会系のノリで突っ込んでいきます。「俺は元サッカー選手だったんだ。ほれ、俺のシュートをくらえ!」って敵が喚いて蹴りを食らうシーンがあるのですが、このセリフが象徴です。 さてスタローンはと言うと、オープニングでのことがいつまでも自責の念にかられて山の仕事から手を引くことを決めますが、そこへ例の悪役御一行様が登場してドタバタ劇の開始です。スタローンも仕方なく駆り出されます。厳しい気候とハードなクライミングでこの辺りも見どころの一つです。 スタローンが岩山に張り付いているのを俯瞰でとらえているシーンがあって、一体どうやって撮影したのか気になって調べたら、命綱を括って、後からCGで綱だけ消しているそうです。それでも過酷な撮影には間違いないのですがね。 スタローンが紆余曲折の末に最後に決意するくだりが良かったです。 とにかくオープニングのシーンは必見です!
劇場版「鬼滅の刃」無限列車編
オーシャンズ8
言わずもがな「オーシャンズ11」と言えば、現代はジョージ・クルーニーを中心にしたアノ11人。昔は、フランク・シナトラだったみたいですが。 そのジョージ・クルーニーが演じたダニーの妹、デビーの大掛かりな窃盗は、セレブがとんでもない金額の装いをして集う「メット・ガラ」 兄のダニー同様、1人の右腕ルーに声を掛けて1人、また1人とスカウトしていくのは、あのオーシャンと同じ。 もっとニヤニヤしたいなら、この映画を見る前に「11」のオープニングだけでも観て欲しい。 スカウトされた女性窃盗団。 こちらもキャラが濃い。 ダニーの右腕役ラスティのように、こちらデビーもルーがいるけど、このケイト・ブランシェットがとにかくカッコいい。他の映画で観たことがない彼女が、たまらなくカッコいい。 その上、デビーとつるんでいる時は、笑わされる。 リアーナのハッカー役エイトもカッコ良かった。本名絶対に明かさないのに、変なとこでバレる可愛さ。 サラ・ポールソンの…と1人挙げていくと止まらない。 強引すぎるような展開があっても、だからオーシャン・シリーズだもの、と妙に納得させられる。 しかも、観ていて「!」となるのが嬉しい。 あのオーシャン・シリーズで、女性の美しさ、したたかさ、しなやかさ、可愛さが存分に楽しめる豪華な映画。スピンオフとは呼びたくない。
↓↓みんなが読んでいる人気記事↓↓
→【2024年】動画配信サービスおすすめランキングに注意!人気を無料や利用者数、売上で比較!徹底版
→【すぐわかる】動画配信サービスおすすめランキング【忙しいあなたへ】人気を無料や利用者数、売上で比較!簡易版
→映画のレビューを書くと、あなたの好みの映画が見つかります!
✅映画解説 ✅口コミ ✅映画の豆知識・トリビア ✅ネタバレありなし考察 ✅どの配信サービスで見られるか 映画に関するあれこれが、この1サイトでぜーんぶ出来ます。