第9地区
「第9地区」はニール・ブロムカンプの監督デビュー作だ。 ある日突然、巨大宇宙船が現われ、そのまま空の上にとどまってしまう、 という設定は、オールドSFファンにとってはそれだけでわくわくしてしまう 何かがある。もちろんアーサー・C・クラークの「幼年期の終わり」からの 引用ということなのだろうが、あれが世界各国の首都上空だったのに対し、 こちらは南アフリカ・ヨハネスブルグの上空と限定されており、 しかも難民として漂着し、20年そこに浮かび続けているというところが面白い。 宇宙人たちは皆弱っていたので地上に下して一定の地区に隔離し、 そこを「第9地区」と呼ぶことにするが、トラブルが増えたため、 宇宙人を「第10地区」へ移送することが決定され、主人公のヴィカスが その陣頭指揮を任されることになる。これを、宇宙人に対し、 人間の法の基に手続きを進めていく様はなかなか間が抜けていて面白く、 ここまでは政治的なテーマを抱えた寓話的世界観を描いた映画なのかと思っていた。 ところがここから思いもよらぬ方向へと物語が進んでいく。 まず、そもそも訳の分からない設定がいくつかあり、 例えば、宇宙人は猫のエサが好き(何故?)だとか、宇宙人の持っている武器は、 宇宙人しか使えないというか、遺伝子に反応して作用する(どういう理屈?)だとか、 宇宙船の液体燃料を吸い込むと体が異星人化していく(は?)など、 非常に荒唐無稽な決め事が存在しているのだが、それらの驚くべきエピソードを 突き付けられて頭が混乱している中、物語は何でもアリのカオス的な展開を 見せるのかと思いきや、非論理で構築された論理とでも言おうか、 この世界の中の独特の論理性は崩さず備えたまま怒涛の如く 結末を迎えていくのであって、その語り口が実に見事なのだ。 前半、宇宙人に対し無理矢理人間の法律を押し付ける様子と対比して見ていくと とても面白い。こちら側の論理であちら側の世界を動かそうとしていたものが、 途中からあちら側の論理に巻き込まれていく。 これはある意味不条理劇とも呼べるかもしれない。 自分がこの映画で好きなところは、一見雑然としていて勢いだけで押していくように見えて、 その実きちんと練られた物語であるということと、主人公が置かれた かわいそうな状況の中に、妙なおかしさが同居しているところだ。 例えばヴィカスは液体燃料の噴射を受け、体が異星人化していく、 研究材料として莫大な価値があるとした政府は彼の体を切り刻もうとする、 そこで彼の妻には、彼は仕事の過程で異星人のメスとデキてしまった、 としてもう彼は帰らない、と説明するところや、また、体を元通りにするため、 異星人の協力を仰ぎ、彼らがもとの星に戻る手助けをするものの、 体を治す薬(?)を持ってくるまでに3年かかる、と言われるあたりは 突っ込みがいのあるエピソードで妙にツボに入った。
ラヴソング
天津の田舎に婚約者を残し、香港に出稼ぎに出てきた男、シウクワンは、 マクドナルドで働く女、レイキウと知り合う。 ボーイ・ミーツ・ガールで物語が始まれば、大体展開は予想できる。 この映画ももちろん、大きな脱線もなく、想定内に物語は進んでいく。 関係が近しくなり、やがてすれ違いが生じ、そして……という感じだが、 しかし、それでも面白いと思えるのは、演出がきめ細やかで繊細だからである。 例えば自転車に乗っている二人のショットであったり、 初めて二人がキスをするシーン。 特に後者は、実に繊細な感情のやりとりを表現している。 家にきたレイキウの帰り際、彼女に服を着せるシウクワン。 拙い手つきで、なかなか服を着せてあげられない。 しかしこれには隠された感情も表現されている。 そう、シウクワンとレイキウの思いである。 結局のところ、顔を近づけ合った時に二人はキスをする。 そして苦労して着せたレイキウの服を、今度は慌てて脱がそうとする。 下手にカットを割らないところがまた良い。 気持ちと行動が相反することによって何とも言えないもどかしさが強調される このシーンは、二人の演技も実に素晴らしく、屈指の名シーンだ。 そう、やはりラブ・ストーリーは役者が良くないと何も始まらない。 この二人、特に自分の好みという訳ではないのだが、とてもいい味を出していて、 グイグイと引き込まれてしまった。 田舎から出てきた純朴な青年、シウクワンを演じるレオン・ライ。 故郷に婚約者を残してきたのだが、物理的な距離が そのまま精神的な距離に変わっていってしまう。 どこの国でも一緒だよなあ、と思いつつ、その過程を見事に好演している。 片や同じ田舎から出てきたけれど、もっと野心的に成功を目指すレイキウを演じる マギー・チャン。あれ、どこかで見た顔だな、と思ってたら、 ジャッキー・チェンの映画に出ていたことを思い出した。 アクション・コメディーの彼女もいいけれど、繊細な演技で見せる彼女も とても良いと思った。 この映画は、通常の物語のラストに加え、おまけとも言える 二重のラスト・シーンが用意されている。 これから共に歩いていこうとする人との出会いは運命的なものと言えなくもない。 そんな人たちというのは、もしかしたら人生のどこかで出会っていることが あるかもしれない。出会ってから結ばれるまでに、何度かすれ違いを繰り返すものの、 もしかしたらそれ以前からすでにすれ違いを起こしているのかもしれない。 そんなことを思い起こさせてくれるような、思わずニヤリとしてしまう 最後の最後のラスト・シーンも、これもまた名シーンと言えるだろう。
LUCY/ルーシー
このレビューにはネタバレが含まれています
アリー/ スター誕生
これは本当に見て良かった映画です。 音楽が物凄く良い。 原作の映画を見たことがないのですが 見てみたくなりました。 アリー演じるレディーガガ様の歌や演技 楽しみにしていましたが、実際見てみると想像以上にうまくて、かっこ良くて、本当にさすがだったんですが、ブラッドリークーパーもさすがだったんですよね。 本当に。 歌も良いものばかりで、ずっと見ていたいレベル。 物語自体は正直言ったら想像がつく話だとは思います。けれど見る価値は存分にありますね。見だしたら2人の魅力にハマってあっという間だと思う。 2人の繋がりも見ていてすごく分かった。けれどお互いにちょっと弱い部分があって、すぐにでも壊れそうな危うさがあった。お互いが物凄く繋がって通じているからこそ自分もちゃんと持っていたいんだろうなって。 こう言ってはダメですけど、ブラッドリークーパーはなんだろう、こうゆう飲んだくれ 笑 の役がとても似合う。 そして繊細な役も似合う。 何をやらせてもかっこいいし。 136分という、映画にしてはちょっと長目かもしれないけど 中弛みすることもなく 2人の魅力を存分に味わえる映画です。
スリー・ビルボード
「ファーゴ」('96)という何かと抜けている犯罪を描いた映画の中で、女性警察署長を演じたフランシス・マクドーマンドさんが主演で、「リチャード・ジュエル」で善良な弁護士を演じたサム・ロックウェルさんが助演の映画です。 貧しい米国南部を舞台にした内容で、保守的で何かと個人が意見を言い出しにくい町が描かれています。 犯罪被害者遺族である主人公はその中で3枚の大きな看板を使い、警察に不満を表明しますが、土地柄もあり周囲からは冷たい目で見られます。さらに警察署長も誠実な人物であることも解ってきます。 色々な登場人物が最初の印象とは違う行動をするのが、この映画の特色でしょう。 それぞれ何かをきっかけに考えを変える、などとは違い、人間の多面性を描いた映画です。 米国南部は、様々な殺人鬼が出てくる恐ろしい場所としてハリウッド映画では描かれてきましたが、このような内容の映画になったのは、イギリス出身のアイルランド人で演劇でも実績のあるマーティン・マクドナー監督だからでしょう。ハリウッドの中の多様性の無さを衝いた映画です。
スターリングラード 史上最大の市街戦
第二次大戦の転換点となったスターリングラード攻防戦70周年という事でロシアで公開された映画で、ロシア映画らしい独特のCGなどの使い方になっています。第二次大戦で多くの死傷者を出したロシア側から描かれているので、都市での市街戦の過酷さがよく解りました。 市民を処刑するドイツ軍に主人公たちが突撃しても、味方に大勢の死傷者が出るというところなど、優秀なドイツ軍に侵攻される大変さが伝わってくるところでした。 ロシア人は経済危機の時などもあまり政府を当てにせず、知り合い同士で助け合う傾向が強いそうですが、そのような事はロシアの何かと困難な歴史で培われた物なのでしょう。 味方の犠牲も美化したりせず描くところは、やはり今も昔も体制への不満や不信があるからなのでしょう。 一つの建物の攻防戦が中心となって描かれていて、何かとロシア映画らしい幻想的なシーンも多くなっていました。日本やドイツの映画などでは蛮行をするソ連兵がよく描かれていますが、その人たちをロシア側から描いた映画です。
ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ
2015年のアメリカ映画であり日本ではDVDのみの未公開。 内容は、ホラー映画の中に若者たちが入り込んでしまい、殺人鬼に追われるという ホラー・コメディ。 最近は「ハッピー・デス・デイ」などのように「ホラー・コメディ」というジャンルで 良作が生れつつあり、これもその一つと言えるだろう。 これもただ単にホラー映画の中に入ってしまう、というだけではなく、主人公の女の子は お母さんがカルト・ホラー映画の女優であり、交通事故で亡くしてしまっている、 という背景がキチンと描かれている。 それでそのカルト・ホラー映画のリバイバル上映時に騒ぎがあって…… みたいに、要するにプロットがしっかりとしているのだ。 またわざとチープな表現をしているようなところもあり、B級ホラー映画への愛情も どことなく感じることができる。 アメリカ映画のすごいところは、バケモノが出てくるとか、変な世界へ行ってしまうとか、 それだけ聞くとちょっとどうなの、と言いたくなるような話でも、そこにいくまでの過程であったり、周りの人間関係がしっかりとしているため、面白く観れてしまう映画がたくさんある。この映画もそういう意味では隠れた良作と言えるだろう。 あと、個人的には主人公のタイッサ・ファーミガが意外に好みだった。 なんだ、そういうことか、と突っ込まれそうだが……
戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説
ファンタスティック・フォー:銀河の危機
MARVELコミックシリーズで大人気のファンタスティック4の映画版第二弾です! キャスト続投に、MARVELの人気キャラクターの一人であるシルバーサファーも登場も見所ある作品です。 一作目が面白かったので、引き続き二作目も見てみた結果、非常に楽しめました。 一作目よりもさらに超能力パワーや、未来的な発明などがパワーアップしており物語と共に映像技術も楽しめる内容でした。 前作の敵であったDr.ドゥームも再登場するので胸熱展開が盛り沢山でした。 今作はシルバーサファーの影響で能力が入れ替わってしまうという設定が組み込まれていたので、それぞれのヒーローたちの精神と能力の相性などの適性が良し悪しとして表されていました。 疑問は、最後に皆はジョニーに力を託しますが パワーが入れ替わるのであれば全員の能力がなぜジョニーに渡ったのかという矛盾はありました。まぁ圧倒的な強さと戦闘シーンがカッコよかったので、細かい事は気にせず楽しみました。笑
ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
MARVELコミックシリーズで大人気ヒーローユニットのファンタスティック4の実写版です! キャストには今ではアベンジャーズシリーズのキャプテン・アメリカで有名なクリス・エヴァンス、そしてジェシカ・アルバとの共演と豪華キャスト陣でした! 見てみた感想としては、、 非常に面白かったです! MARVELシリーズと超能力ものが好きな私としてはドンピシャリな作品でした。 今回は超能力パワーを得る経緯から物語は描かれていくのでヒーローとして活動して行く成り立ちなどもわかりやすく描写されていました。 さらに一気に5人が超パワーを得るので能力も種類も豊富に見れてワクワクできる展開でした! そして、突然得た未知の力なので科学者という知識を活かし試行錯誤しながらそれぞれの能力をコントロールしていく描写などご都合主義展開ではないので安心して観れました! クリス・エヴァンス演じていたヒューマン・トーチがカッコよかったですね!炎を吹き出し空を飛んでいくシーンは当時の技術でもクオリティ高く作られていたと思います!
サスペリア
ダリオ・アルジェント全盛期の1作。 一応物語はあるのだが、あまりそこに囚われて観ない方が良いだろう。 この映画の良さは何と言ってもその映像美にある。 赤・青・緑などの原色を基調とし、極度に色彩のコントラストをつけた画作りは、 外連味たっぷりで、観客を問答無用に異世界にブチ込んでしまう事に成功している。 その他異様な影や大きな怖い男、また酒場でのダンスや鏡を反射させる老婆など、 おそらく細かい意味などは何もないのだが、不気味で怖がらせることだけを 目的とした過剰なまでの恐怖演出がこの映画では数多くなされており、 とにかく怖い、というホラー映画の至上命題を達成することに大きく貢献している。 いや、それ以上にこの監督、ガチでヤバイんじゃないの、と思わせるような、 そんな演出が満載なのだ。 怖いと言えばゴブリンの演奏するあの有名なテーマ曲もそうだろう。 昔突然、夜のデパートの屋上でこの音楽が流れてきたときは、泣きたくなる思いだった。 この映画の前に作った「サスペリア2」(日本では公開が後だったので、「2」とつけられてしまった)や この映画の2本後の「シャドー」などが個人的には好みであり、 世界観の構築という意味では非常に高い完成度を誇る映画群だ。 ただ最近ではもうこの頃の様な作品にはお目にかかれず、寂しい思いをしているのだが それは私だけではないはずだ。
トリハダ 劇場版
元々はテレビドラマシリーズの映画版です。 このシリーズはホラーですが「幽霊は出さない」のが主義の作品です。 人間の恐ろしさ、狂気を描いたものになっています。 本作ではコールセンターに勤める女性の物語が主軸。 彼女はいわゆるモンスタークレーマーに悩まされており……。 その物語と並行してオムニバス形式で小編が描かれています。 中でも面白いのは異常に小柄な女性にストーキングされる男の話。 ストーキングの果てに彼が迎えた結末が恐ろしいです。 この女性を演じるのは笹野鈴々音さん。 超未熟児で生まれたとのことで、身長は140cmないほどに小柄な方です。 そのアンバランスな身長を活かしての演技がみどころ。 彼女は非常に不気味なメイクをしていますが、本来はとてもきれいな方です。 一方、主軸となる物語も恐ろしい展開になっていきます。 「人間が怖い」をテーマにした物語達がおもしろい作品です。 幽霊なんて非現実的なものより、人の悪意の方が何倍も怖いものですね。
カイジ2 人生奪回ゲーム
大人気漫画カイジシリーズの実写版第二弾です! 主演は引き続き藤原竜也さん、そして利根川役で続投の香川照之さん他豪華キャストの共演映画でした。 物語は裏カジノでの悪魔パチンコ台、沼編を描いたストーリーになっていました。 見てみた感想としては、面白かったです。 オリジナル要素をいくつか加えてあくまで原作に沿って描かれていたので違和感なく見れました。 原作では利根川はパチンコでは出ませんが、今回はカイジと共闘になりますので、イイ意味でのオリジナル要素が加えられていてよかったです! 沼の攻略も原作とは変わって一行程削っていたので、限られた時間での映画内ではアリな展開だったと思います。それ以外の攻略はしっかり原作に忠実に再現されていたので、安心しました。 全体的に良くできていたと思いますが、個人的には地下の劣悪環境やチンチロバトルをもう少し描いて欲しかったと思いました。 映画だけだけ地下に戻りたくない理由なども伝わりづらいとも感じましたので!
死霊館 エンフィールド事件
アナベル人気シリーズの二作目、死霊館の続編です。実際に起きた史上最長期間続いたポルターガイスト現象として知られる「エンフィールド事件」を題材にしており、超常現象を専門に研究をしているウォーレン夫妻が挑みます。アナベルシリーズは基本的に人が亡くならず、ウォーレン夫妻は悪魔に挑むヒーローのような描かれ方をしているので安心して見ることができます。 ホラー映画お決まりの展開として、被害の対象となる一家には幽霊や悪魔が見えるけれど、周りの人には超常現象が現れず、その一家は孤立して追い詰められるということがよくありますが、今回は被害の対象となった一家だけでなく、警察官や近所の住人もポルターガイスト現象を目の当たりにするところが新鮮でした。家の元々の住人の霊が女の子に憑りついて、男性の声でベラベラと喋るところは滑稽で、あまり恐怖感はありません。近所の迷惑お爺さんのような風貌で笑ってしまいます。悪魔の理不尽な攻撃とすればそこまでなのですが、なぜそこまでこの一家を追い詰めていくのかが分からず物足りなさがありました。
カイジ 人生逆転ゲーム
福本伸行さんの大人気シリーズ漫画、カイジの実写版でした! 主役カイジを演じるのは実写版「DEATH NOTE」で有名な藤原竜也さんです! 物語としては、原作のエスポワール号、電流橋渡り、そして利根川との対決Eゲームまでを描いていました。 原作漫画で人気だったのが実写で高評価されるのは珍しいですが、ほとんど原作に準えて描かれていたので面白かったです。 展開も3場面抱えてる中、矛盾もなくわかりやすくそして素早く展開されていて飽きずに見れました。 カイジのダメっぷりも藤原竜也さんの演技でより一層描かれていてよかったと思います。 そして今作の宿敵である利根川を演じていた香川照之さんはハマり役でしたね。特に船での演説の部分、そしてカイジとのEカードでの一騎打ちでの掛け合いは見所満載でした。 ただ、描写するとあまりに残虐的だったのか、原作の焼き土下座シーンがなかったのは少し残念でした!あれだけ極悪ぶりを披露した報いがあっけなく終わってしまったのでちょっとだけ拍子抜けでした。
悪の教典
コンテイジョン
まさにこの時期に観る映画、ということで色々な方たちが取り上げているので再見。 最初観た時はメチャクチャ地味な印象しかなく、まあリアルなのかもしれないけれど プロットに大きなひなりがなくてそんなに面白くはないかな、などと思っていたが、 その後のコロナ禍の状況などを見ていると一見の価値はあるかもしれない、 と自分の中では再評価することとなった。 やはりウィルス感染が一気にドバッと広がっていかず、徐々に徐々に広がっていく様子は なかなかリアルである。 また、レンギョウという植物がこのウィルスに効く、などというデマが流れ、 市民が奔走するところなども、リアルと思わざるをえず、コロナも一時は花崗岩がいいとかいう話があったことを思い出した。 そういえばSARSの時はヤクルトが効く、なんて話もあった。 とにかく何かにすがりたくなるような、そんな心境によって 大衆が動いていく様子の描き方はなかなか秀逸であると感じた。 映画ではワクチン開発と共にあっという間に事態が収束していく。 またウィルスが伝播していく様子も最後に描かれており、非常に納得のいく作りとなっている。 現実の世界でもこの映画のように問題が解決してくれればいいのだが。
ブレードランナー 2049
オンリー・ザ・ブレイブ
実話を元にした米国の乾燥地帯での山火事を扱った映画ですが、山火事の際に地上でどのように消火作業をしているのかがよく解る映画です。 近年は何かと米国やオーストラリアでの山火事が報道されていますが、どのように消火作業をしているのかは本作を見るまで知りませんでした。 ジョセフ・コシンスキー監督は3Dグラフィックを研究していた人という事で、山火事というものがどのように拡がるのかなど、解りやすく映像化されていました。 さらに山火事を消す消防士の仕事がいかに大変かもよく解る映画になっています。 このような公共的で危険な仕事と比べて、金融やITなどの身体的に楽で危険のない仕事が、はるかに給与が高いことも、米国の田舎の人の都市部住民やIT企業への不信や不満にも繋がっていそうです。 山火事専門消火隊の隊長役は男臭いジョシュ・ブローリンが演じていますが、新人役のマイルズ・テラーも好演していました。 日本の都市部にいては知る機会のない山火事とその消火ですが、どのようなものかを知るのにもいい映画になっています。
トールガール
Netflixオリジナル映画。 16歳で身長185センチ以上ある女の子の恋愛コメディ? 個人的には主演のアヴァ・ミッシェルが結構好みだったのでそれなりに観れたものの、 逆に言えばそれしかない映画だった。 アヴァのお姉さんは身長も含めて完璧な美人という設定らしいが、そうは見えなかったり、あまりにデカすぎる彼女を敬遠する周りの人間たちに反し、昔からそばにいて 彼女を好きだ、と言ってくる男の子の魅力があまりうまく表現できていなかったりと、 消化不良感が拭えなかった。 後で知ったことだが、主演のデカ女であるアヴァ・ミッシェルはダンサーであり、 You Tubeにいくつか動画がのっていた。だったらこういう彼女の特技というか、 アピール・ポイントをうまく映画に生かせば良かったのに、と非常に残念に感じた。 高身長女と低身長男の話という事で言えば2002年にドラマとなった「君を見上げて」 (作:山田太一)などが演出も含めてとてもよくできていたし、 自分が好きな人が別な人を好きになる、という三角関係を描くパターンで言えば 1987年の「恋しくて」(主演:メアリー・スチュアート・マスターソン)なんかが、 切ない感情をとてもよく表現できていた。 パターンもののプロットなので、ハマれば面白くなるポテンシャルを秘めていただけに ちょっともったいない作品であったと感じた。 しかしRotten Tomatoesではメチャクチャ低評価! これはこれで主演のアヴァ・ミッシェルがかわいそうになってしまう。
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